ライフサイクルGHGネットゼロ※
基本的な考え方
トヨタ紡織グループの自動車部品製造時に排出されるCO2の削減だけでなく、材料・部品製造や製品使用、廃棄・リサイクルの段階までのライフサイクルで将来的に「GHGネットゼロ」にチャレンジします。
- Greenhouse Gas(温室効果ガス)の排出量を「正味ゼロ」にすること
カーボンニュートラル戦略ロードマップ
トヨタ紡織未来図
- 一つのエネルギー源から電気と熱を発生させるだけでなく、排出されるCO2も活用するエネルギーシステム
技術開発における環境負荷低減の進め方
工場GHG排出量を2030年に50%削減(2019年度比)の目標を達成するため、日本、米州、中国、アジア、欧州・アフリカの各地域の状況に合わせた活動実施計画である、カーボンニュートラル戦略ロードマップを作成しました。各地域と連携し、グローバル共通で取り組める、もしくは取り組むべき改善アイテムを示しながら、目標達成に向けて活動を推進しています。
SBT※1の考え方に基づいた目標設定
トヨタ紡織グループが設定したGHG排出削減目標について、SBTi※2より新たに「ネットゼロ目標」の認定を取得しました。
ネットゼロ目標は、SBTi基準に基づきGHG排出量の90%を直接削減し、残余排出量を炭素除去により中和化する目標です。2019年比で、Scope1※3とScope2※4排出量を90%、Scope3※5排出量を90%以上削減し、さらに削減が困難な残余排出については、大気中からの除去および恒久的な貯留による「中立化」を通じて、実質的に排出ゼロを目指します。
- Science Based Targets:パリ協定が求める水準と整合したGHG排出削減目標
- Science Based Targets initiative:CDP、UNGC(国連グローバル・コンパクト)、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)による共同イニシアチブ
- 自社における直接排出
- 自社が購入・使用した電力・熱・蒸気などのエネルギー起源の間接排出
- Scope2以外の間接排出(自社事業の活動に関連する他社の排出)
SBT認定を取得した温室効果ガス排出削減目標
| 対象 | 短期目標 | ネットゼロ目標 |
|---|---|---|
| 2030年度(2019年度比) | 2050年度(2019年度比) | |
| Scope1、Scope2 | 50% | 90% |
| Scope3※ | 30% | 90% |

- 2030年度目標のScope3はカテゴリ1 [購入した製品・サービス]のみ対象
製品のライフサイクルにおけるGHG排出量低減
製品の製造・販売から、車両に搭載され走行・廃棄されるまでのライフサイクルにおけるGHG排出量を把握、低減するため、ライフサイクルアセスメント(LCA)を実施し、環境に配慮した製品開発を進めています。特に、製品の軽量化や熱マネジメントによるクルマの燃費性能向上、CO2排出量削減に貢献しています。
こうした取り組みの具体例として、高耐衝撃と軽量化を実現したドアトリムや、熱マネジメント技術を取り入れた遠赤外線反射天井を開発しています。詳細は下記のリンク先をご覧ください。
サプライチェーン全体で進めるカーボンニュートラル(CN)推進
CO2排出量削減に向けたカーボンニュートラル(CN)セミナーの実施
トヨタ紡織ではサプライヤーのCN活動の支援に注力しています。
排出量の総量調査を進める中で、具体的な省エネ事例や排出量算定方法について、難しさや困りごとを感じているサプライヤーが多いことが分かり、主要サプライヤーの従業員を対象としたCNセミナーを実施しました。
セミナーでは、当社の社員が講師となり、自社の省エネの取り組み事例や排出量の算出・管理方法を共有することで、CN推進に向けた知識習得や能力向上を支援しました。このように、サプライチェーン全体での環境推進活動を進めています。
CNワークショップの共同開催
サプライヤー支援に加え、トヨタ紡織は関係各社と連携し、サプライチェーン全体でのCN活動の展開を進めています。その一環として、トヨタ自動車(株)、(株)アイシン、(株)三五、当社の4社は、サプライチェーン全体へのCN活動展開に向けた検討を進めてきました。その中で、取引先のCN活動における課題把握と優先度認識の機会創出を目的とし、(株)アイシン、(株)三五、当社の3社共同(トヨタ自動車(株)協賛)で、CNワークショップ(2026年3月19日)を開催しました。本ワークショップには、取引先77社から約140人が参加しました。特に取引先各社の経営層の参加により、CN活動への理解が深まり、推進の必要性が共有されました。
Scope3への対応(サプライチェーンマネジメント)
トヨタ紡織は、事業活動に伴うGHG排出量の低減に取り組むため、2012年度より、サプライチェーン全体を対象にGHG排出量の算定を開始しました。
これまでの算定結果を踏まえ、算出対象カテゴリごとの算定方法の精度向上を図り、事業活動全体におけるGHG排出量を評価したうえで、低減活動を推進しています。
算出対象カテゴリ
- 建物・生産設備など
トヨタ紡織グループのバリューチェーンにおけるGHG排出量
算出基準
| 算出対象カテゴリー | カテゴリーの解説 | 算出根拠 |
|---|---|---|
| 1. 購入した製品・サービス | 購入した原材料・部品などの製造などにともなう排出 | トヨタ紡織グループの製造拠点が購入した原材料・部品を対象として、原材料・部品種類別購入額(百万円)×原材料種類別GHG排出係数(t-CO2e/ 百万円)を使用して算定。原材料種類別GHG排出係数は、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.5(2025年3月)」の値を使用。 |
| 2. 資本財 | 資本財(建物・生産設備など)の建設・製造にともなう排出 | トヨタ紡織グループが保有する固定資産(建物および構築物、機械装置および運搬具、工具、器具および備品、ソフトウェアなど)の報告年度増加額を対象として、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7(2025年3月)」および「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.5(2025年3月)」に基づき、算定。 |
| 3. Scope1、2に含まれない燃料・エネルギー関連活動 | 購入した燃料の生産・輸送および購入した電力の電気・熱の製造段階における排出 | トヨタ紡織グループのエネルギー消費量を対象として、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7(2025年3月)」、「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.5(2025年3月)」および「国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEAv3.5.1 IPCC2021 without LULUCF AR6」に基づき、算定。 |
| 4. 輸送、配送(上流) | 調達物流および自社が荷主の出荷物流にともなう排出 | サプライヤーからトヨタ紡織グループへの調達物流およびトヨタ紡織グループが荷主の出荷物流にともなうCO2を対象として、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7(2025年3月)」、「ISO14083:旅客及び貨物の輸送チェーンにおける温室効果ガス(GHG)排出量の定量化及び報告に関する国際規格(2023)」、「Global Logistics Emissions Council (GLEC) Framework V3.0」および「国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEAv3.5.1 IPCC2021 without LULUCF AR6」に基づき、算定。 |
| 5. 事業から出る廃棄物 | 自社で発生した廃棄物の処理にともなう排出 | トヨタ紡織グループのオフィスや工場からの廃棄物排出量(t)×廃棄物種類別GHG 排出係数(t-CO2e/t)を使用して算定。廃棄物種類別GHG 排出係数(t-CO2e/t)は、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7(2025年3月)」、「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.5(2025年3月)」、「U.S. EPA "Emission Factors for Greenhouse Gas Inventories 2024"」、「Thailand's emission factor」、「Indonesia_climate-change-roadmap-waste-sector」および「UK Government GHG Conversion Factors for Company Reporting Ver.1.1」の値を採用。 |
| 6. 出張 | 従業員の出張にともなう排出 | トヨタ紡織を対象として、距離(km)×自動車区分別GHG排出係数(t-CO2e/km)または、交通費支給額(円)×交通区分別GHG排出係数(t-CO2e/円)を使用して算定。自動車区分別GHG排出係数は、「国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEAv3.5.1 IPCC2021 without LULUCF AR6」の値を使用。交通区分別GHG排出係数は、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.5(2025年3月)」の値を使用。 また、トヨタ紡織以外のトヨタ紡織グループの従業員数を対象として、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7(2025年3月)」および「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.5(2025年3月)」に基づき、算定。 |
| 7. 雇用者の通勤 | 従業員が事業所に通勤する際の移動にともなう排出 | トヨタ紡織を対象として、距離(km)×自動車区分別GHG排出係数(t-CO2e/km)または、交通費支給額(円)×交通区分別GHG排出係数(t-CO2e/円)を使用して算定。自動車区分別GHG排出係数は、「国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEAv3.5.1 IPCC2021 without LULUCF AR6」の値を使用。交通区分別GHG排出係数は、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.5(2025年3月)」の値を使用。 また、トヨタ紡織以外のトヨタ紡織グループの従業員数と営業日数を対象として、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7(2025年3月)」および「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.5(2025年3月)」に基づき、算定。 |
| 8. リース資産(上流) | 自社が賃借しているリース資産の操業にともなう排出(Scope1、2で算定する場合を除く) | 上流のリース資産(車両、建屋賃借など)の利用にともなうGHG排出量は、Scope1、2に計上。 |
| 9. 輸送、配送(下流) | 客先までの物流(自社が荷主の出荷物流を除く)にともなう排出 | トヨタ紡織グループの自社から客先への物流を対象として、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7(2025年3月)」、「ISO14083:旅客及び貨物の輸送チェーンにおける温室効果ガス(GHG)排出量の定量化及び報告に関する国際規格(2023)」、「Global Logistics Emissions Council (GLEC) Framework V3.0」および「国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEAv3.5.1 IPCC2021 without LULUCF AR6」に基づき、算定。 |
| 10. 販売した製品の加工 | 客先による中間製品の加工にともなう排出 | トヨタ紡織グループが販売した製品を対象として、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7(2025年3月)」を基に、取引先などでのエネルギー使用量を自社類似設備で実測により算出した排出原単位を使用して算定。 |
| 11. 販売した製品の使用 | 使用者(消費者)による製品の使用にともなう排出 | トヨタ紡織グループが販売した製品に組付けられている電気部品を対象とする「自社算定した原単位」、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7(2025年3月)」、一般財団法人 日本自動車部品工業会「JAPIA LCI データ算出ツール(使用段階) ver 2.0.8(2021年5月28日)」および環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.5(2025年3月)」に基づき、算定。 |
| 12. 販売した製品の廃棄 | 使用者(消費者)による製品の廃棄時の処理にともなう排出 | トヨタ紡織グループが販売した製品を対象として、「シート、内外装、ユニット部品の区分での生産台数」×「自社算定した原単位」を使用して算定。「自社算定した原単位」は、シート、内外装、ユニット部品の区分での2019年度出荷実績を基礎として算定。 |
| 15. 投資 | 投資の運用に関連する排出 | トヨタ紡織グループの持分法適用関連会社(20社)を対象として、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7(2025年3月)」を基に各社の2025年度売上収益×持分比率×排出原単位を使用して算定。排出原単位は、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.5(2025年3月)」の値を使用。 |
保証マーク▶KPMGあずさサステナビリティ(株)による第三者保証取得値。詳細は、下記のリンク先をご覧ください。
環境パフォーマンスデータの測定又は評価における固有の限界
温室効果ガス排出量の定量化は、活動量データの測定、及び排出係数の決定に関する不確実性並びに地球温暖化係数の決定に関する科学的不確実性にさらされています。
したがって、算定方法、活動量、排出係数において、許容可能な範囲で異なる選択をした場合、報告される温室効果ガス排出量が重要な程度に異なる可能性があります。
物流におけるCO2排出量削減
日常業務として物流改善活動を行い、各工場と連携して、日々の生産変動に柔軟に対応することでCO2排出量削減活動を推進しています。日本国内では、将来の共同物流の範囲拡大と、それに備えた物流中継基地の再編を計画しており、物流効率向上とともに、さらなるCO2排出量削減を進めます。また、グローバルでの物流改善とCO2排出量削減活動も並行して実施しています。
今後、燃料電池車や電気自動車など化石燃料を使用しない産業機器の活用を積極的に検討し、カーボンニュートラルの実現に貢献します。