ダイバーシティ&インクルージョン
基本姿勢
女性、シニア、外国人、障がい者、若者など、誰もが自分の考え方を気兼ねなくオープンにできる環境を、「風通しのよい職場風土づくり」を通して醸成しています。これにより、多様な人材の知と知が融合し、結果としてイノベーションが活性化することで、事業拡大や新たな事業の創出にも結びつくと考えています。
この風通しのよい職場づくりのため、ハラスメント、思いやりコミュニケーション、ダイバーシティ&インクルージョンの重要性、アンコンシャスバイアスについて、管理職などを対象に、講演会やe-learningによる研修を実施しています。
ワークライフバランス
技能系職場では、育児をする社員が働きやすいラインの導入、事務・技術系職場では、フレックスタイムのコアレス化や、在宅勤務制度など、職場環境の整備を進めてきました。また、企業内託児所の設置や、トヨタグループ5社共同の託児所の運営などのインフラの整備や、短時間勤務制度の拡充(利用対象年齢を18歳まで引き上げ)、家族のケアや不妊治療を理由に取得できる休暇などの制度を整備しました。柔軟なワークルールやオフィス・IT環境の整備をさらに進め、多様な人材がいきいきと働き、個人の能力を最大限発揮できるよう努めます。
仕事と家庭の両立支援に向けた施策
- 配偶者の転居をともなう転勤(国内外問わず)や、介護のために退職する正社員のうち、本人が希望し、会社が認めた者に対して再雇用申請の機会を提供し、会社へ復帰できる制度
育児休職制度・短時間勤務制度 利用者数の推移[トヨタ紡織]
育児休職制度利用者数と男性の取得率の推移
年度 | 単位 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
育児休職取得者数と 男性の育休取得率 |
単体 | 人 | 90 | 68 | 80 | 119 | 200 | |
女性 | 単体 | 人 | 70 | 50 | 44 | 49 | 55 | |
男性 | 単体 | 人 | 20 | 18 | 36 | 70 | 145 | |
男性の取得率 | 単体 | % | - | 6 | 15 | 28 | 67 |
なお、育児休職制度利用者の復職率は100%です。
短時間勤務制度利用者数の推移
年度 | 単位 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
短時間勤務制度利用者数 | 単体 | 人 | 167 | 195 | 211 | 242 | 247 | |
女性 | 単体 | 人 | 164 | 192 | 209 | 237 | 241 | |
男性 | 単体 | 人 | 3 | 3 | 2 | 5 | 6 |
社員主導の活動組織
社員ネットワークグループ(ENRG)
2022年に社員の生の声を把握し、経営陣に伝えて問題解決につなげるための社員ネットワークグループ、ENRG(Employee Network Resources Group)を設立しました。ENRGは、「女性」「若手」「外国人」「シニア」「障がい者」の5つのグループに分かれています。
2023年は、5つのENRGが主体となり、D&Iウィークを開催しました。
妊婦体験、車いす体験、育児休職取得者(男性・女性)の経験談、シニア・障がい者グループの紹介、ボーイング社の社員グループとのパネルディスカッションなどを行いました。



女性社員の活躍推進
キャリア形成やワークライフバランスのための環境整備、本人と上司の意識改革など多面的な支援を通じて、女性がやりがいや働きがいを感じ、働き続けられるしくみや職場環境づくりに取り組んでいます。
今後も、女性管理者や女性技術者が活躍できるよう、女性活躍施策を進めるとともに、女性の採用を積極的に進めていきます。
女性管理職数の推移[トヨタ紡織]
女性管理職数を2030年までに、2014年10月時点(13人)の5倍以上とすることを目標にしています。
年度 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|
女性管理職数(人) | 23 | 24 | 29 | 33 | 35 |
重点育成対象者の登録と育成
女性社員が、より高い意欲を持って挑戦・活躍できるよう、一人ひとりの計画的な育成を早期から行うため、重点育成対象者を登録、個別育成計画を立案し、各職場で育成しています。
2024年度より女性重点育成対象者をNEXT100※に組み込むことで、育成を加速させていきます。
- 当社グループを対象とした若年層育成強化のための重点対象者登録制度
技能系の女性活躍の取り組み
技能系職場の女性社員の声を施策に反映し、よりいきいきと働ける職場とするための取り組みを進めています。
2020年8月には交替勤務職場での常昼・常前直(常夜・常後直)勤務制度を導入、2024年4月には短時間勤務制度の対象年齢も拡大しました。職場の困りごとや意見を、各工場と人事の間でも随時共有し、さらなる対策を講じていきます。
女性活躍推進ワーキンググループ
女性グループは「ENRG SHINE」として活動しています。
女性社員のさらなる活躍促進のため、育休後の復職を見据えた、上司、女性社員、配偶者向けのセミナーや、アンコンシャスバイアス研修、女性活躍促進大会などを行っています。
障がい者雇用
トヨタ紡織では肢体不自由・聴覚・視覚・知的・精神など、さまざまな障がいを持った方が働きやすい職場環境づくりを推進しています。受け入れにあたっては、入社後の業務を円滑にするために特別支援学校と職場でのオリエンテーションを実施。また、行政機関が提供する職場適応援助者(ジョブコーチ)などのサービスも積極的に活用しています。
障がい者雇用率の推移[トヨタ紡織]
年度 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|
障がい者雇用率(%) | 2.21 | 2.33 | 2.45 | 2.53 | 2.54 |
外国籍社員の登用
当社では、グローバル化の進展にともない、各地域の自律化を推進しており、グローバル幹部育成プログラムや人材育成委員会を開催し、幹部候補者の計画的な育成、配置を行い、国籍を問わず、実力のある海外現地社員も含めた、グローバル人材の最適配置を行っています。
日本以外の地域の幹部職ポストに占める現地社員の割合
2020年4月 | 2021年4月 | 2022年4月 | 2023年4月 | 2024年4月 | |
---|---|---|---|---|---|
現地社員割合(%) | 23 | 25.6 | 25.3 | 21.7 | 29.2 |
グローバルな視点での人材の採用と最適配置による活躍促進
日本以外の地域のグループ会社からのトレーニー(Intra Company Transferee=企業内転勤制度)の受け入れや、地域をまたぐ異動の活性化、世界各国の大学からインターンシップの受け入れや採用を積極的に実施し、多様な人材の活躍を促進しています。外国籍社員が活躍できるよう、日本では社内マニュアルを英語化しているほか、日本語教育なども実施しています。
多様な人材の活躍を促進するため、今後、新たな施策をさらに実施していきます。
LGBTQ+など性の多様性への対応
性自認・性的指向・性表現など、性の多様性の理解促進のため、管理職向けに教育を実施しています。また、LGBTQ+についても相談できる社内窓口の案内や、同性カップルの結婚・家庭に関する社内制度の適用を行っています。
今後も、LGBTQ+の方も安心して働ける環境を整備するとともに、社員の意識改革・理解活動を進め、性のどのようなあり方も尊重できる風土を育てていきます。
シニア層の活用
トヨタ紡織では、2004年に希望者を65歳まで再雇用する制度を導入しました。今までの経験を後進に伝え、定年後もスキルやノウハウを生かすことができる場の提供や、施策を進めています。
例えば、50歳以上対象の社内公募制度であるジョブポスティング制度や、役職定年の柔軟な運用、日本以外の国への出向任期の延長などを実施しています。
60歳以降も高い職責を担い、成果を出している人材に対し、処遇で報いる制度の導入やサプライヤーを含む活躍の場の拡大など、シニア人材がよりいきいきと働き活躍できる施策を実施しています。
定年後の再雇用者数の推移[トヨタ紡織]
年度 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|
再雇用者数(人) | 314 | 343 | 354 | 392 | 425 |
人にやさしい工程・環境づくり
障がいのある社員や女性、シニア層でも働きやすくいきいきと活躍できる、人にやさしい工程設計、制度設計、環境整備、管理・監督者の教育などを推進しています。