トヨタ紡織グループのマテリアリティ

トヨタ紡織グループは、これまでのCSR※1からCSV※2経営への変革を目指す中で、本業を通じて持続可能な社会の実現に貢献することで企業価値を向上していきます。社会への貢献は「世のため 人のため」という創業の精神から受け継ぐ経営姿勢です。
企業価値の向上に向けて、2025年中期経営計画立案プロセスの中でトヨタ紡織グループのマテリアリティを策定。さまざまな社会課題の中から本業を通じて優先的に取り組む重要課題を特定し、それらを解決する姿をマテリアリティと定めました。
年に2回開催するCSV推進会議(議長:CSO(Chief Strategy Officer))では、CSVの考え方に基づいた企業価値向上に向け、課題や方向性の報告、審議を行っています。2022年度は、CSV経営や人権デュー・ディリジェンスの進捗状況、2025年中期経営計画達成に向けた企業価値向上の取り組みなどを議論しました。今後は、環境変化に応じ、マテリアリティ自体の見直しの検討もしていきます。
また、2021年に設定したマテリアリティの進捗を管理するESG KPIを、2030年中期経営計画策定にともない、2023年に見直しました。このESG KPIについてもCSV推進会議で進捗を確認し、マテリアリティとともに達成度をフォローしています。

  • Corporate Social Responsibility : 企業が社会責任を果たす
  • Creating Shared Value : 社会とともに価値をつくる

経営の考え方

経営の考え方

マテリアリティの考え方

  1. 「本業を通じて解決する安全・環境・快適に関する課題」と「競争力を発揮するための源泉となる人・組織に関する課題」を解決する姿の二重構造
  2. 人と生活を豊かにする「プラスの影響を最大化するもの」と、リスクを回避する「マイナスの影響を最小化するもの」に層別

5つのマテリアリティを特定

トヨタ紡織グループのマテリアリティ

トヨタ紡織のマテリアリティ

社会課題のプロットと重要課題の抽出

社会課題のプロットと重要課題の抽出

マテリアリティの意味・想い

本業を通じて解決する安全・環境・快適に関する課題
インテリアスペースクリエイターとしてイノベーションを通じ、快適・安全・安心を創造し、こころ豊かな暮らしに貢献する
  • 快適な空間
  • イノベーションの促進
世のため人のため、繊維事業から内装事業へと発展し、安全・安心な人々の暮らしの向上に貢献してきたトヨタ紡織グループが、「人々が不安なく・自分らしく生きること=“快適”」の実現(スマートシティの実現)のために、センシングによる生体情報を活用するなどの製品やサービスの提供を行うインテリアスペースクリエイターへと進化する
確かな技術力で、安全な製品を提供し、交通事故死傷者ゼロ社会に貢献する
  • 製品の安全性
  • 交通事故の低減
  • 高齢化
究極の目標である「交通事故死傷者ゼロ」社会に貢献するために、トヨタ紡織グループの強みである「技術開発」を生かした、高品質で安全性の高い製品(オールインシートやシートベルト、エアバックなどの製品)やサービスを提供し続ける
取引先とともに「ものづくり」の革新を図り、環境負荷のミニマム化を実現する
  • 環境負荷の低減
  • 生産性向上
  • 気候変動
  • 省エネ・省資源
  • 取引先との協業
子どもたちが笑顔で暮らせる持続可能な地球環境を目指し、取引先とともに最先端技術による「ものづくり(ものづくりに関わる全工程)」の革新・生産性を向上することにより、CO2排出量ゼロや生産工程の排水ゼロ、天然資源使用量ミニマム化、廃棄物のミニマム化など2050年環境ビジョンのチャレンジ目標を達成し、経営資源を有効活用する
競争力を発揮するための源泉となる人・組織に関する課題
多様な価値観とチャレンジ精神、チームワークを尊重し、世の中に貢献できる人を育てる
  • 多様性の確保
  • 働き方改革
  • 人権の尊重
  • 社員の健康・労働安全
世の中の困りごとを解決するテーマに挑戦し続けるために、世界中から人材が集まり、発想や考え方を理解し、認め合い、ともに考えられる自律した人材を育てる
公正で良識ある行動を伝承し、全てのステークホルダーから信頼される誠実な企業であり続ける
  • ガバナンス
  • コンプライアンス
  • 情報セキュリティ強化
  • 公平で公正な調達
これからも、すべてのステークホルダーから信頼され、ともに成長する会社であり続けるために、創業以来の佐吉翁の想いを具現化した豊田綱領、基本理念にある「公正で透明な企業活動の推進」とTB Wayの「良識ある行動」を実践する

マテリアリティ策定プロセス

2019年4月から2020年7月にかけて、全社をあげて重要課題の特定に取り組み、6つのステップでマテリアリティを策定しました。
一連のプロセスで、経営陣と次世代リーダー、主幹部署であるグローバル経営戦略部(現:経営企画部)が、合計27回の協議を重ね、最終的に取締役会でマテリアリティを決定しました。
その後、マテリアリティの実現に向けて、非財務KPIの中で社会的価値を測るESG KPIを設定しました。

参画者
社員 社外
ステーク
ホルダー
取締役/
役員
0

CSR、CSV、ESG、SDGsなどの理解

  • 役員、部長向け講演会CSR推進会議(現CSV推進会議)の定例メンバーに加え、2025年中期経営計画の策定に携わる役員、関係部長も出席し、CSV 経営の理解を深めた
  • 役員、事業体トップ、次世代リーダー向けSDGs講演会当社グループの役員・事業体トップ・次世代リーダーが一堂に会し、当社グループの未来のあり方やその実現のために何をすべきか議論をする「グローバルウィーク」のプログラムとして実施し、SDGsに関する理解を深めた
  • SDGsカードゲームと社会課題の議論(13か国 41人の次世代リーダー参加)カードゲーム形式でSDGsと社会課題への理解を深めた。その後、当社グループを取り巻く社会課題・経営課題に関し、フィロソフィーに含まれる当社にとって重要な考え方をベースに議論
参画者:
社員、取締役/役員
1

社会課題の把握

  • SDGsをはじめとする社会課題の洗い出しSDGsに加え、当社グループが事業を展開する国・地域の社会課題にも注目し、100以上の社会課題を抽出
  • 現時点ですでに解決に貢献できている社会課題の確認当社グループの事業のライフサイクルバリューチェーンマップを作成し、すでに実施できている社会課題解決への貢献を正(機会)と負(リスク)の両面から整理
参画者:
社員
2

社会課題の抽出

  • 当社のフィロソフィーから取り組むべき社会課題の確認フィロソフィーに織り込まれている意味を再度認識・理解し、抽出した社会課題の解決がフィロソフィーと一致しているかを確認
  • 当社の強みを生かして解決できる社会課題の確認当社グループの3つの強みである「技術開発」「ものづくり」「人づくり」を発揮することで解決できるかを確認
  • マテリアリティワーキングによる議論:10回(17人参加)
参画者:
社員
3

ステークホルダーからの期待の確認

  • 投資家へのヒアリング:3回(3社7人参加)
  • 社員向けアンケート:1回(対象260人)
  • 経営上の課題確認:上記ヒアリング、アンケート結果を踏まえ、社内の方針との整合性を確認
参画者:
社員、社外ステークホルダー、取締役/役員
4

社会課題のプロットと重要課題の特定

  • 社会課題を整理し、当社が優先して取り組むべき重要課題を特定「社会・環境へのインパクト」と「当社グループの事業へのインパクト」の視点で検証し、取り組むべき重要課題を特定
  • 当社のVisionとも整合する、5つのマテリアリティを策定「本業を通じて解決する安全・環境・快適に関する課題」と「競争力を発揮するための源泉となる人・組織に関する課題」に整理し、5つのマテリアリティを特定
参画者:
社員
5

妥当性の確認

  • CSV推進会議で議論2020年2月に臨時のCSR推進会議(現CSV推進会議)を開催し、マテリアリティの構成・文言(表現)について議論。社員のマテリアリティへの理解を深めるため、この文言を選んだ理由を「意味・想い」として整理することを決定
  • 社外取締役、社外監査役との議論社外役員への説明を2回実施(2020年4月、7月)。得られた指摘に基づいて経営におけるマテリアリティの位置付けを明確にし、「経営の考え方」として経営体系を整理
参画者:
社員、取締役/役員
6

マテリアリティ決定

  • 2020 年7月の取締役会で、トヨタ紡織グループのマテリアリティを決定
参画者:
取締役/役員
7

ESG KPI 設定

  • 非財務KPIの中で社会的価値を測るESG KPIを設定。マテリアリティの実現に向けて、達成を目指す
参画者:
社員、取締役/役員