プレス成形同時インジェクション技術

生産効率の向上と軽量化によりカーボンニュートラル実現に貢献

天然繊維を活用したドアトリムなどの基材は従来、加熱しプレス成形で生産したのち、別工程で生産したブラケットなどの樹脂部品を、基材に接着剤で接着する必要がありました。 一方、プレス成形同時インジェクション技術は、基材の加熱成形と同時にブラケットなどの樹脂部品を成形することで、基材中の樹脂成分とブラケットの樹脂成分が結合し、接着強度が向上するとともに別工程での接着が不要になります。 また、これまでの接着剤を使った生産方法に比べ、樹脂部品の小型化が可能になり生産工程の効率化と製品の軽量化を実現しました。

従来

従来

同時射出成形

同時射出成形

当社の強み

当社は環境に配慮し、ケナフ基材を採用したドアトリムを開発・生産してきました。そのノウハウを生かし、表面の意匠と裏面の樹脂部品の接着強度を両立するために、成形時の温度、金型の型クリアランスや基材をプレスするタイミングなど、さまざまな条件を試みました。その際、当社の強みである「技術開発」「ものづくり」の各部門が連携することで、要件を満たす強度を確保できました。さらに、ケナフ基材と樹脂部品の両方の管理条件の作り込みを行い、量産化が可能になりました。これからも、地球にやさしいケナフを活用した製品開発を通し、カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

主な受賞実績

2020年中部科学技術センター奨励賞