知的財産への取り組み

知的財産への取り組み

基本的な考え方

知的財産を経営上の重要な資産であると捉え、経営戦略や事業戦略に貢献できるよう、グローバルな事業の自由度と競争力を確保するための知財活動を推進します。
さらにトヨタ紡織グループのマテリアリティ実現に向けて、特許出願件数のKPI達成に加え、重点特許網を構築し、知的財産のさらなる強化を図ります。また、他者の知的財産を尊重し、製品・技術開発で他者の知的財産権を侵害しないよう十分な調査を行います。

知財ガバナンス体制

これまでの知財委員会や知財推進委員WGに加え、取締役会による実効的な監督の実施のために、2023年度から年1回の取締役会における報告、および役員会議である技術企画会議で知的財戦略の議論を開始しました。
知財活動をより活発にできるよう、各技術系部署に知的財産担当の委員を配置し、日常的な知財活動に関する議論・情報共有など連携できる体制をとっています。さらには、各事業の戦略企画部門より知的財産戦略立案を担う専任者を選定し、専任者が知的財産戦略部に所属することで、戦略企画部門との連携をより強化できる体制をとっています。
また、日本を中心に、米州、アジア、中国、欧州・アフリカ地域の技術開発拠点とも連携し、体制強化に取り組んでいます。

知財ガバナンス体制図

知財ガバナンス体制

知財活動の3つの軸

より多くの方に当社および当社製品に魅力を感じていただけるよう、経営・技術戦略に資する知財活動として、「知的財産」「人的資本」「知財投資」を3本の柱として取り組んでいます。
経営層から関係する部門の社員まで、全員参加で推進しています。

知財活動の3つの軸

知的財産

特許資産価値の可視化

当社は、保有特許に対する客観的な評価指標として、LexisNexis社のPatentSightによる特許資産価値(Patent Asset Index)の指標を用いて、保有特許における現状把握、および競合他社との比較分析を実施しています。

事業規模(売上)/特許資産価値(Patent Asset Index)

事業規模(売上)/特許資産価値(Patent Asset Index)

手の内化すべき技術の重点特許網構築

2030年目指す姿である「インテリアスペースクリエイターとして快適な移動空間を実現し、製品・顧客の幅を広げながら社会課題の解決に貢献している会社」の実現に向け、技術ロードマップに基づいた今後手の内化すべき技術について、重点特許網の構築による知的財産の強化を実施しています。

重点特許網の特許出願件数割合

重点特許網の特許出願件数割合

人的資本

クリエイティブ人材の育成

当社は、アイデアを生み出し続けることができるクリエイティブな人づくりを目指しています。積極的な特許出願活動を通じて、アイデアの創出機会を拡充し、全技術者における発明者の割合を増加させていくことで、クリエイティブな人材の育成および風土の醸成につなげています。

発明者数/発明者割合

発明者数/発明者割合

技術系部署との連携強化

社内の知財教育に加え、技術系部署から知財戦略を担う専任者の異動、および技術系部署とのジョブローテーションを実施することにより、スキルの向上を加速させます。また技術系部署との連携を強化することで、よりスムーズな知財活動を推進しています。

技術系部署との連携強化

知財投資

シート事業における知的財産の強化

2022年、自動車用シート事業のさらなる競争力強化を目的に、アイシンシロキ株式会社のスズキ株式会社、ダイハツ工業株式会社、マツダ株式会社向け自動車用シート骨格および機構部品の商権を取得しました。これにともない、アイシンシロキ㈱などが保有する特許権を約200件取得し、自動車用シート骨格および機能部品における保有特許権は、グローバルトップとなりました。

自動車用シート骨格および機能部品における特許保有件数

自動車用シート骨格および機能部品における特許保有件数

知財活動におけるDX

知財活動における業務プロセス改革を2021年から推進し、2023年度までに知財業務で利用する92%の帳票をシステム化しました。2024年度中に100%システム化が完了する予定です。また、特許調査では、AIを活用した業務を推進しています。今後はさらにAIの活用を拡大し、迅速かつ効率的な業務運用、付加価値の創出を図っていきます。

特許件数実績

特許保有件数

特許保有件数

特許出願件数

特許出願件数