2030年 環境認識(マクロ・モビリティ業界)

2030年に想定される環境変化として、下記を想定しています。

  • BEVやMaaSの進展に伴う異業種参入による自動車市場の変容
  • デジタルネイティブであるZ/α世代の影響力拡大や高齢者の増加による価値観の変化などに伴うユーザーニーズの多様化
  • 脱炭素や循環経済への対応に加え、ネイチャーポジティブも考慮した自然共生
  • ダイバーシティ&インクルージョンや少子高齢化による働く人の多様化

こうした環境認識から車室内での時間を楽しむことの価値が高まり、車室空間が差別化の重要な要素となることで、「安全・環境を前提とした快適な車室空間」への期待値が高まると認識しています。
当社はこれまで将来のありたい姿として「インテリアスペースクリエイター」を掲げてきました。「安全・環境を前提とした快適な車室空間」においては、新たな成長のための大きなチャンスととらえています。

2030年 環境認識(マクロ・モビリティ業界)

2030年中期経営計画の骨子

「2030年目指す姿」として、「インテリアスペースクリエイターとして快適な移動空間を実現し、製品・顧客の幅を広げながら社会課題の解決に貢献している会社」を掲げました。
モビリティ環境の変化に加え、当社の強みである、

  • 「ユーザーに一番近い製品」に対する技術開発力
  • シートなどの大型製品をジャストインタイムでグローバルに提供できる展開力
  • 豊富なグローバル人材

などを活かしていきます。

財務目標は、売上収益2兆2,000億円、営業利益1,500億円、営業利益率7%としました。
各市場にてシェアを維持・向上し、過去最高の営業利益率を目指します。
株主還元は、新たな指標「DOE」を導入し、3%以上を安定的に実現していきます。
非財務目標として、2030年に向けてESG KPIを見直しました。下記はその代表例です。

2030年中期経営計画の骨子

目指す姿の実現に向け、本業を通じて社会課題を解決し、経済的価値と社会的価値の両輪を同時に高めていくCSV経営により企業価値の向上を目指します。
例えば医療車両や移動自立支援により、社会課題の解決に貢献をすることでインテリアスペースクリエイターとしての新ビジネスを創出していきます。

創業の精神である「世のため、人のため」を受けつぎ、当社らしく、地道に社会のお役に立つことを行い、それを事業に結び付けていき、着実な成長を目指します。

2030年中期経営計画の骨子

環境ビジョン

CSV経営を実践し、企業価値向上につながる活動の指針として環境ビジョンを見直しました。世の中の企業に求める環境対応、情報開示の高度化、ELV規制対応、自然資本の保全・再生化をより加速、推進します。

環境ビジョンの見直しを実施しました。

3つの重点取り組み

  • 温暖化抑制
  • 資源循環
  • 自然共生

6つのチャレンジ目標を再構築

  • 「温暖化抑制」:Scope1/2を50%削減と併せて、Scope3に関して30%削減
  • 「資源循環」:顧客要望に準じた“樹脂リサイクル材使用率”の達成
  • 「自然共生」:ネイチャーポジティブに向けて生態系保全の活動強化とTNFDに沿った情報開示
環境ビジョン

事業ポートフォリオ基本方針

当社は、創始者である豊田佐吉の考えをまとめた豊田綱領やそれに基づき制定された基本理念を踏まえて、我々の目指す企業像を示すVision「明日の社会を見据え、世界中のお客さまへ感動を織りなす移動空間の未来を創造する」を定めています。
また、企業価値の向上に向け、「さまざまな社会課題の中からトヨタ紡織グループが本業を通じて優先的に取り組む重要課題を特定し、解決する姿」をマテリアリティとして策定しています。
2023年度に発表した2030年中期経営計画は、目指す姿を「インテリアスペースクリエイターとして快適な移動空間を実現し、製品、顧客の幅を広げながら社会課題の解決に貢献している会社」としました。
インテリアスペースクリエイターとして製品領域の拡大や電動化対応製品等の開発を進め、既存の顧客に加え、新規OEMやMaaSサービサーなどの新しい顧客を獲得していきます。そして売上収益の向上と生産性向上で、キャッシュ・フローの最大化を図り、ものづくりで得た経営資源を戦略的に配分することで、中期経営計画の目標達成を目指していきます。
2030年度財務目標として、売上収益は2兆2,000億円とし、営業利益は1,500億円(利益率7%)を目指します。株主還元については、中長期的な成長と財務健全性のバランスを取りつつも、当面の業績に大きく左右されない長期安定的な配当の継続に取り組む主旨から新たにDOEを導入し、配当性向の水準にも考慮しながらDOE3%以上を目指していきます。
事業リスクの管理は、資本コストを意識した事業評価指標(国別資本コストを加味したIRR)を導入することで、事業性の客観的なモニタリングを行い、その結果をアクションプラン策定の議論や事業継続要否の検討につなげています。
2030年に向けて、シートや内外装をインテリアスペース全体として付加価値を向上させるとともに、成長領域である電動化製品や新事業の育成に経営資源の戦略的な配分を進めていきます。