健康

健康経営基本方針・目的

社員の健康増進を経営課題の一つと捉え、中長期的に健康増進活動を推進していくため、2019年に「トヨタ紡織 健康宣言」を策定し、2022年に改訂しました。
社員が心身ともに健康でいきいきと働くことができる会社づくりを、労使一体となって進めていきます。
写真:健康経営基本方針・目的

健康経営の取り組みと健康文化の定着

健康経営優良法人(ホワイト500)の認定取得

社員一人ひとりが心身ともに健康で幸福であり、最大限のパフォーマンスを発揮できることを目標に、労使一体となって心身両面から健康サポートを行っています。
これらの活動が評価され、昨年に引き続き2023年度「健康経営優良法人2024ホワイト500」に認定されました。
なお、グループ会社も取り組みを推進することで、健康経営優良法人の大規模法人としてアラコ、トヨタ紡織九州、トヨタ紡織東北、中小規模法人として、トヨタ紡織滋賀、TBソーテック東北、TBカワシマ、TBエンジニアリング、TBコーポレートサービス、TBテクノグリーン、TBロジスティクス、トヨタ紡織健康保険組合が認定を取得しています。

マーク:健康経営優良法人の認定取得

健康経営推進体制

CEOを最高責任者とし、推進部署である安全衛生健康センター、人材戦略部、経営企画部、健康保険組合が定期的なミーティングを実施しながら、健康経営を推進しています。
各部に「健康活動推進員」を配置し、定期的なミーティングを実施し、健康活動を全社でより活性化する体制を整えました。安全・健康機能会議では、日本以外の事業体や関係会社とも健康活動の情報を共有し、健康意識の向上につなげるとともに、労働組合や外部機関との連携も強化しています。

図:健康経営推進体制
  • Employee Assistance Program:生産性に影響をもたらす課題の解決を支援

健康経営の戦略

健康経営の戦略マップ

当社の健康課題として、肥満率、喫煙率、運動習慣、睡眠に対する対策が必要と考えています。さらに健診データ、ストレスチェック結果のクロス分析から、20代からの運動習慣、食生活の改善が重要であり、プレゼンティズムには、「睡眠」「ストレス」の改善が重要とわかりました。
分析結果をもとに戦略マップを作成し、活動を推進していきます。

図:健康経営の戦略マップ
  • データ確認先
  • ストレスチェック・モラルサーベイ・いきいきKPI 結果
  • 健康診断結果、健診時の問診・アンケート結果

健康関連の最終的な目標指標

ワークエンゲージメント(偏差値)[トヨタ紡織]

年度 2019 2020 2021 2022 2023
ワークエンゲージメント
(偏差値)
47 47 48.1 48.1 48.0
回答人数(人) 8,927 9,088 8,779 8,736 8,697
回答率(%) 96.5 95.5 94.1 95.0 93.8

社員の会社に対する愛着心や思い入れのこと。50が平均で、数値が高いほどよりよい結果を示している。2025年度までに偏差値50を目指しています。

プレゼンティズム(生産性損失割合)[トヨタ紡織]

年度 2019 2020 2021 2022 2023
プレゼンティズム
(生産性損失割合)
37.9 37.3 36.6
回答人数(人) 8,734 8,703 8,664
回答率(%) 93.7 94.6 93.4

  • 2021年度より集計開始

WHO-HPQ (Health and Work Performance Questionnaire)絶対的プレゼンティズムで測定。健康の問題を抱えながら業務を行うため、100%の能力が発揮できず、生産性のロスが発生している状態のこと。2025年度までに35%以下を目指しています。

アブセンティズム(傷病による欠勤)[トヨタ紡織]

2019 2020 2021 2022 2023
アブセンティズム(日) 2.7 2.7 2.7 2.8 2.9

  • 傷病による休務の全従業員平均日数

健康リテラシーの指標としての健康チャレンジ8の活用

◆健康チャレンジ8の活用

トヨタ紡織では、社員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮できる状態を目指し、生産性や心身の健康に影響を与える可能性がある8項目を「健康チャレンジ8」と定義し、健康チャレンジ8実践数5を目標としています。
健康チャレンジ8の実践数を増やすことは、健康診断結果の改善やプレゼンティズム損失を減らすことにつながります。運動習慣の定着など、健康チャレンジ8の取り組みをきっかけに、社員一人ひとりが自分に必要な健康への取り組みを考え行動できる力(健康リテラシー)を向上させ、健康につながる取り組みの継続を後押しします。さらに、2024年度より、毎月8のつく日(8・18・28)を健康チャレンジ8DAYとし、健康を意識するきっかけとなる環境づくりを進めていきます。
また、トヨタグループで健康チャレンジ8を活用しており、取り組みを共有しています。

〈健康チャレンジ8の8項目〉

① BMI ② 朝食 ③ 飲酒 ④ 間食
25未満 毎日食べる 飲まない、
または1合/日まで
夕食後、寝るまでの間食が
週2日以下
⑤ 禁煙 ⑥ 運動 ⑦ 睡眠 ⑧ ストレス
喫煙しない 1日30分以上の運動を
週1日以上
熟睡できている 多い方ではない

健康チャレンジ8実践数の推移

年度 2021 2022 2023
実践数 4.52 4.85 4.86

健康診断結果×健康チャレンジ8実践数

グラフ:健康診断結果×健康チャレンジ8実践数

健康チャレンジ8の実践数別プレゼンティズム損失割合

グラフ:健康チャレンジ8の実践数別プレゼンティズム損失割合

「誰一人取り残さない」健康の取り組み
~健康活動推進員との連携~

健康活動推進員を各部に配置し、全国の拠点で148人が活躍しています。健康に関する各部の窓口として、健康事業の推進や部内の健康増進に取り組んでいます。
推進員ミーティングは年4回実施し、健康施策への参加呼びかけや、職場ごとで取り組む職場主体活動、部署対抗ウォーキングラリーのチームの取りまとめ、健康ポータルサイト(PepUp)の登録促進活動に取り組んでいただきました。
社長の白柳さんと推進員との座談会では、推進員としてうれしかったことや、困りごと、それぞれの健康感を共有し、白柳さんからは推進員への期待も伝えられました。このようすを社内報で共有し、推進員の役割理解の向上にもつなげました。
また、健康活動推進員と健康部門とのディスカッションでは、健康活動推進員に、集まった社員の健康に関する生の声を共有し、施策へ生かす重要な役割を果たしています。
職場内で楽しみながら健康活動に取り組めるよう、健康活動推進員の活動がますます重要になっています。

健康づくり施策

全社員の健康診断実施

トヨタ紡織グループは、各国の法令義務の有無に関わらず、全拠点で健康診断を実施しています。法定健康診断は、受診率100%を継続しています。
今後も、健康啓発活動、保健室や職場でのフォローなどを継続し、各拠点が自主的に実施している健康診断も受診率100%を目指します。
また、健康診断実施後、精密検査が必要な社員には、病気の早期発見・早期対応で重症化予防を行うため、産業保健スタッフが個別で結果説明を行い、病院受診につなげています。

法定健康診断受診率[トヨタ紡織グループ]

年度 2019 2020 2021 2022 2023
健康診断受診率(%) 100 100 100 100 100

健康診断後の精密検査受診率[トヨタ紡織]

年度 2019 2020 2021 2022 2023
健康診断後の
精密検査受診率(%)
94.7 84.4 87.0 91.3 91.9

  • 精密検査受診者には保健指導を実施(100%)

健康診断結果を踏まえた高血圧の治療状況[トヨタ紡織]

年度 2019 2020 2021 2022 2023
血圧コントロール率(%) 27.8 21.0 40.2 58.7 57.6

  • 高血圧だが、治療で血圧が140/90mmHg未満にコントロールされている社員の割合
  • 血圧コントロール率= 高血圧治療中で血圧がコントロールされている人数 高血圧治療中の人数+高血圧だが未治療の人数

ストレスチェック実施とメンタルヘルスの取り組み

ストレスチェックは年に1度実施し、高ストレス者に対し、外部機関と連携した面談や相談対応など、メンタルヘルス不調の未然防止に取り組んでいます。また、組織のストレスチェック結果から対象部署を選定し、社内の産業保健スタッフと外部機関が連携し、ラインケア支援も行っています。
新入社員や新任管理・監督者教育にはセルフケア教育も行っています。
メンタル不調者に対しては、産業医や産業保健スタッフと人材戦略部が連携し、復職に対する支援を行っています。

ストレスチェック回答率[トヨタ紡織]

年度 2019 2020 2021 2022 2023
ストレスチェック回答率(%) 96.5 95.5 94.1 95.0 93.8

ストレス反応の推移(偏差値)[トヨタ紡織]

年度 2019 2020 2021 2022 2023
ストレス反応の推移 54 55 49.1 49.3 48.9

50が平均で、数値が高いほどよりよい結果を示しています。2021年度より外部委託機関の基準見直しにより評価が厳しくなりました。

高ストレス者割合[トヨタ紡織]

年度 2019 2020 2021 2022 2023
高ストレス者割合(%) 5.2 4.3 5.2 5.1 5.6

禁煙活動

トヨタ紡織の喫煙率は年々減少しており、2022年度の喫煙率は29.6%と初めて30%を下回ったものの、全国平均(2022年:16.1%)に比べ、依然高い状況にあります。将来的な疾病につながり得るリスクととらえ、社員とそのご家族、周りの人々の健康を守るため、2008年のたばこ社内販売廃止に始まり、3回/月の非喫煙デーの設定、禁煙補助薬の購入補助や、禁煙外来受診補助など、喫煙率低下に向けた禁煙支援活動を継続的に実施してきました。禁煙成功者からは「モチベーション維持に役立った」などの意見をいただいています。
2022年度は2023年4月からの敷地内全面禁煙化に向け、社員への周知・理解活動、禁煙サポート利用促進を積極的に行い、4月からの敷地内全面禁煙を迎えました。禁煙補助薬補助の利用者は例年に比べ10倍以上に増加しており、敷地内禁煙化をよい機会ととらえ、卒煙した方、禁煙にチャレンジしている方も多くみられることから、2023年度の喫煙率は26.3%と、前年から3.3%の低減となりました。
2024年度も世界禁煙デーに合わせた禁煙月間活動を実施し、禁煙活動を継続していきます。

  • 出典:政府統計の総合窓口e-Stat

喫煙率[トヨタ紡織]

グラフ:喫煙率[トヨタ紡織]

階層別教育

新入社員・昇格時教育

社内産業保健スタッフや外部講師によるメンタル・フィジカル両面の健康教育を行っています。セルフケア教育や、管理監督者にはラインケア教育も実施しています。

ターゲット教育

特定保健指導の取り組み

ハイリスク者対応として、特定保健指導を重要な施策と捉えています。2023年度は、社員の健康意識が高いタイミングである社内健康診断当日に、特定保健指導を一部工場で実施しました。コロナ禍で一時激減していた実施者数も増加し、対象者1376人中、948人(68.9% 昨年比較+7%)に対し、特定保健指導(初回面談)を実施しました。今後も、健康保険組合と連携し、社内外での特定保健指導実施者数を増やすとともに、内容の充実にも取り組んでいきます。
  • 40歳以上で、生活習慣病の発症リスクが高いものの、生活習慣の改善による予防効果が期待できる方を対象とした指導
写真:特定保健指導の取り組み

健康ステップアップ研修(28歳コース)

健康診断結果や、問診内容を分析したところ、20代から運動頻度の減少や、朝食の摂食割合が低下するなど、運動や食生活の乱れが表面化していることがわかりました。そこで、2022年度から28歳をターゲットとした健康セミナーを開催しています。若い世代の健康セミナーのため、生活習慣病の予防だけでなく、パフォーマンス向上を目指したコンディショニングの視点も踏まえたセミナーとなっています。受講後アンケートでは理解度、満足度ともに90%以上で、「今のうちから健康を維持しようという気持ちになれた!」「実際に体も動かしながらのセミナーだったのでリフレッシュできた」などポジティブな回答が多くみられました。
2022年度は感染対策のため、90分間のオンラインセミナーでしたが、2023年度は集合型の終日のセミナーに変更し、より内容を充実させることができました。次年度に振替受講や、より受講しやすい場所や時間を工夫し、参加率向上に努めていきます。
参加人数:2022年157人(95.2%) 2023年 123人(79.9%)

実施後アンケート

理解度
理解できた 96.7%
やや理解できた 3.3%
理解できなかった 0%

満足度
満足 90.2%
やや満足 8.9%
やや不満 0.8%
満足できなかった 0%

写真:健康ステップアップ研修(28歳コース)

健康ステップアップ研修(35歳コース)

運動習慣の減少、体重増加のターニングポイントとして、35歳の社員を対象に健康セミナーを実施しています。健診結果の振り返りと体力測定を通して、生活習慣の見直しや肥満予防について学ぶセミナーです。セミナー後アンケートでは「筋トレを週2回は行う!」「寝る前の間食はやめる」など参加者それぞれの課題や目標を明らかにすることができました。28歳セミナーと同様、コロナ禍は、オンラインで実施していましたが、2023年度から終日の集合教育に戻しています。今後も参加しやすい環境の整備に努めていきます。
参加人数:2022年222人(96.1%) 2023年 180人(76.6%)
写真:健康ステップアップ研修(35歳コース)

実施後アンケート

理解度
理解できた 90.0%
やや理解できた 9.4%
理解できなかった 0.6%

満足度
満足 73.9%
やや満足 23.9%
やや不満 2.2%
満足できなかった 0%

定期入社2年目・中途入社1年目メンタルヘルス研修

入社による環境変化でメンタル不調を引き起こす傾向が見られたため、入社2年目、中途1年目に外部講師によるメンタルヘルス教育を実施しています。セルフケアの実践を学び、日常生活に生かせるよう支援しています。
2022年参加率85.2% 2023年参加率 85.8%

ポピュレーションアプローチ※1

女性健康セミナー ~トヨタ紡織健康保険組合共催~

PMS※2・更年期障害など女性特有の健康課題に対応できるよう、ホルモンの変化に応じたセルフケアを学ぶため、社外講師を招き、ハンドクリームを使用した実技も加えたセミナーを開催しました。「より快適なコンディションで過ごし、生活の質を向上させたい」という女性社員のニーズに沿った内容となっています。2023年度は女性社員が会場に集まり、同時にオンライン配信を視聴する方法も取り入れることで、参加率向上とともに、女性社員同士のコミュニケーションの場ともなりました。セミナー後のアンケートでは満足度90%以上で、「セルフケアの参考になりました」「時間がない女性でも継続できそう」など前向きな意見もいただきました。
2022年度 当日参加:68人 見逃し配信視聴回数:462回
2023年度 当日参加:155人 見逃し配信視聴回数:256回
  • リスクの有無にかかわらず集団を対象に、リスクを低下させる取り組み
  • 月経前症候群:生理前に現れるこころと体の不調
写真:女性健康セミナー

実施後アンケート

満足 74.8%
やや満足 23.9%
やや満足できなかった 1.3%
満足できなかった 0%

明日から実践してみたい 94.8%
どちらともいえない 5.2%

女性の健康理解セミナー(全社員向け)

女性がいきいきと働き続けるためには 職場全体での理解・支援が欠かせません。女性の健康課題を認識し、理解を深めるため、2024年度から役職や性別に関係なく e-learningを実施しています。女性の健康課題に関する知識を共通理解することで、誰もが働きやすい職場環境につなげていきます。
受講人数:2024年 6,773人(71.0%)

睡眠セミナー

当社の特徴として、プレゼンティズムに睡眠の状況が関わっていることが示されています。そこで、仕事のパフォーマンス向上を目的とした睡眠の技術をテーマにセミナーを実施しました。セミナー当日参加者は、昨年度よりも増加しました。また、セミナー後のアンケートでは、90%以上の方が満足・やや満足と回答し、「セミナーを受けて実践したいと思った内容はありましたか」という設問では98%の方が「はい」と回答しました。「今日学んだ睡眠の技術を明日から使いたい」「睡眠圧を意識する」といった声が多数寄せられ、社員の睡眠への関心の高さを感じました。今後も睡眠に関する取り組みを実施していきます。
2022年度 当日参加:288人 見逃し配信視聴回数:244回
2023年度 当日参加:425人  録画配信視聴回数:331回
写真:オンラインでセミナー開催(株式会社ニューロスペース)
オンラインでセミナー開催(株式会社ニューロスペース)

実施後アンケート

満足 44.9%
やや満足 44.7%
どちらともいえない 7.1%
やや不満 0.4%
不満 0%

TB食育ぷろじぇくと(べジファーストキャンペーン)

2023年より、実際の食堂の場を活用した社員への食育の取り組みを開始しました。各食堂に合わせたサラダメニューを期間限定で費用補助し、ポップや食堂サイネージを活用してベジファーストの有効性を発信しました。期間中、対象のサラダ小鉢の喫食数が142%向上しました。2024年度から「TB食育ぷろじぇくと」として、社員が自ら食に対する興味を深め、食のリテラシー向上につながる取り組みを継続していきます。

写真:TB食育ぷろじぇくと(べジファーストキャンペーン)
写真:TB食育ぷろじぇくと(べジファーストキャンペーン)

部署対抗ウォーキングラリー

2022年度に引き続き、PepUpという健康ポータルサイト(アプリ)を活用し、部署対抗で歩数を競うイベントを開催しました。平均歩数に加え、部署ごとの参加率が得点となるため、メンバー同士が誘い合い参加することで、行動変容のきっかけにつなげています。

年度 2022 2023
部署対抗ウォーキングラリー参加率(%) 13.3 26.9

写真:部署対抗ウォーキングラリー

健康講話(部署ごとに開催)

社内スタッフ(保健師・看護師など)が講師となり、10の健康講話から、部署ごとに一つ選択し、オンラインで開催しました。講話後、メンバー間でディスカッションをすることで、職場での健康の話題づくりにつなげています。2024年度からは、スタッフが出張し面着による健康講話を企画しています。

健康講話コンテンツ一覧
PepUpのご紹介
健康チャレンジ8について
お酒と付き合うコツ
メンタルってなんだ?
間食のとり方のコツ
健康診断の結果をあなたの味方につけよう
減量のススメ
腸活のすすめ
適正体重を維持する食選び

年度 2022 2023
職場主体活動参加率(%) 43.0 40.9

フィットネス動画付き健康コラム配信

2023年度に引き続き健康コラムの配信を実施しました。
社員の健康に対する関心が高まる中、トレーニング方法についての問い合わせがありました。そこで昨年度よりコラムの掲載数を増やし、コンテンツを拡充させるとともに、社内イントラネットへの健康コラム配信を2~3本/月に分けて配信、サイネージや掲示板を活用することで、社員の方々の目に触れる機会を増やしました。この取り組みにより、コラムの平均閲覧数が500人を超え、閲覧数の増加につながりました。今後も社員のニーズに合わせた配信を行うことで、社員の健康リテラシー向上につながる取り組みを充実させていきます。

写真:QRコードを読み取り動画を視聴(RIZAP提供)
QRコードを読み取り動画を視聴(RIZAP提供)

スマートフォンを使用した健康管理

PepUpという健康ポータルサイト(アプリ)を活用し、健康活動を応援しています。
2023年度は、健康チャレンジ8に関連するクイズや、部署対抗ウォーキングラリーなどのイベントをPepUp上で開催し、インセンティブ制度を利用して参加を促進しています。
2024年3月時点の登録者数は5,535人(登録率59.4% 前年比1,289人増)となっています。今後も楽しみながら参加できるイベントを企画し、登録者を増やしながら、社員の健康リテラシー向上の取り組みの一つとして活用していきます。

年度別PepUp登録率推移

グラフ:スマートフォンを使用した健康管理

トピックス:特定保健指導の強化と飲酒習慣改善のための取り組みの必要性

特定保健指導の強化

2020年まで上昇し続けていた肥満率が、2023年は2022年より0.9ポイント低下し、2020年とほぼ同じ割合となりました。結果的にここ数年は横ばいとなっています。
40歳以上のBMI改善者中(199人)、特定保健指導参加者割合は50.7%(101人)であり、特定保健指導による生活習慣の変化が減量に結びつき、当社の肥満率改善につながっていることが確認できました。

  • BMI改善者:2022年から2023年の健診結果でBMI25以上→BMI25未満になった社員

BMI25以上の社員割合の推移

グラフ:BMI25以上の社員割合の推移

また特定保健指導介入による減量効果の詳細を確認したところ、特に動機付け支援対象者は、実施者と未実施者に改善効果に大きな差がありました。動機付け支援該当者にとって、特定保健指導が行動変容のきっかけとなっており、介入効果が期待できます。
積極的支援では特定保健指導未実施者も、減量効果が出ていました。指導案内が来ることが行動変容につながった可能性もあります。指導を受けない理由として健康の取り組みをすでに始めており、指導の必要性を感じていなかった可能性もあります。今後は積極的支援の未実施者の状況にも注視していきます。

  • 動機付け支援・積極的支援:特定健康診査結果によって階層化(分類)された支援方法。よりリスクの高い人を対象とした支援は、積極的支援

特定保健指導実施状況と体重変化

グラフ:特定保健指導※実施状況と体重変化
  • 3ヵ月以上の指導プログラム完了者と初回面談のみ実施者も含む

飲酒習慣改善のための取り組み

健康チャレンジ8の実践数は4.86で昨年より+0.01に留まりました。

健康チャレンジ8実践数の推移

年度 2021 2022 2023
実践数 4.52 4.85 4.86

健康チャレンジ8の「適正体重」「禁煙」「運動」を実践する社員割合が増加した一方で、「飲酒」「睡眠」の項目が2%程度低下しました。
全年齢の飲酒習慣の悪化は、コロナ5類による生活様式の変化も関わると考えられますが、特に20代の飲酒習慣の悪化が著明だったことから、若年層への飲酒教育も検討していきます。

健康チャレンジ8の「飲酒」(飲まないか、1日1合未満)の実践者割合の前年度比較

グラフ:健康チャレンジ8の「飲酒」(飲まないか、1日1合未満)の実践者割合の前年度比較

健康関連の相談窓口「健康のより道」の開設

産業保健スタッフ(医師・保健師・看護師など)が対応する健康に関する予約制の相談窓口を開設しました。「最近ねられない」「健診結果がよくわからない」など、「ちょっと話してみようかな」と、気軽により道していただける窓口を目指します。

感染症対策

これまでも新型インフルエンザやSARSなどの感染症の流行がありました。また、新型コロナウイルス感染症を含め、トヨタ紡織グループはその都度対策を講じて乗り越えてきました。
社員が感染しないよう、今後も継続して予防・対策することで、地域やトヨタ紡織グループ内で感染症が蔓延しないよう努めます。また、関係会社・仕入先とは、感染拡大時の生産影響を最小限にすべく、感染者数を共有しています。今後も、各社と強固に連携するとともに、感染拡大時の援助を継続実施していきます。
さらに、三大感染症(HIV/AIDS、結核、マラリア)など、地球規模の健康問題への対応の重要性を認識しています。トヨタ紡織では、海外赴任する社員とその家族には、赴任地域の感染症情報提供や予防接種の実施などを行っています。