工場GHGネットゼロ

基本的な考え方

「2050年環境ビジョン」で掲げている「工場GHGネットゼロ」に向け、2030年までにGHG排出量を50%削減(2019年度比)、2035年までにGHG排出量を100%削減することを目指し、活動を推進しています。

  • Greenhouse Gas(温室効果ガス)の排出量を「正味ゼロ」にすること

カーボンニュートラル実現に向けた取り組み

1.トヨタ紡織省エネ40アイテムのやり切り活動の推進

トヨタ紡織グループではこれまでも省エネ活動を推進しており、省エネ改善アイテムの多くが共有・横展開されていますが、各職場や工場などを見てみるとまだまだやり残しがありました。そこで、トヨタ紡織省エネ40アイテムを選定し、グローバルで優先的にやり切る活動を進めています。この40アイテムは、基本的に投資をせずに運用面で改善するE-JITアイテムと、高効率機器の導入などの効率化アイテムに分かれています。改善方法のマニュアルの展開、中長期の活動計画を策定し、活動を進めています。

  • Energy-Just In Time:必要な時に、必要なエネルギーだけを使い、必要なもの(製品)をつくる

トヨタ紡織省エネ40アイテム

区分 設備/機器 No. アイテム名
E-JIT ボイラー 1 不要エリアの手元バルブ閉め
2 空気比率の調整
3 蒸気トラップの定期点検、診断
4 蒸気漏れ補修の徹底
5 配管、バルブの保温
6 不要な配管の撤去
空調 7 フィルターと熱交換フィンの定期清掃
8 不要時OFFの徹底
9 エアコンのタイマーによる自動停止
10 温度設定の遵守
照明 11 採光利用(天窓)
12 不要な照明の撤去
13 過剰照明の消灯
14 不要時の消灯
コンプレッサー 15 不要エリアの手元バルブ閉め
16 エアー漏れ補修の徹底
17 フィルターの定期清掃実施
ファン・ポンプ 18 ストレーナーの定期清掃実施
19 ファン・ポンプと生産設備の連動
その他 20 非稼動時電力OFFの徹底
21 省エネ計画停電の実施

区分 設備/機器 No. アイテム名
設備の高効率化 ボイラー 22 工場用大型ボイラーの撤廃
23 給水予熱器(エコノマイザー)による熱回収
24 ボイラー台数制御装置の設置
空調 25 高効率空調機への更新
26 建屋ガラスを高断熱・遮熱のものへ交換
照明 27 LED灯への更新
コンプレッサー 28 インバーターエアーコンプレッサーの設置
29 エアータンクの設置
30 コンプレッサー台数制御装置の設置
31 メイン配管のループ化
32 エアーシリンダーから電動シリンダーへ交換
33 エアーブローの電動化
34 エアーブローガンの高効率化
ファン・ポンプ 35 ファン・ポンプの冷却水温度を活用したインバーター制御による自動運転
36 ポンプのインバーター制御による水量調節
37 ファンのインバーター制御による送風量調整
38 高効率電動機の使用
その他 39 熱源設備の断熱・保温
40 トップランナー方式・高効率タイプの変圧器へ更新

2.再生可能エネルギーの積極的な導入

トヨタ紡織グループは、省エネ活動と同時に、使用するエネルギーを再生可能エネルギーに切り替える取り組みも進めています。太陽光発電パネルの設置や社外で発電された再生可能エネルギーの環境価値を購入するなど、さまざまな方法があります。また、さまざまな再生可能エネルギーを組み合わせることで、環境負荷の小さいエネルギーを安定して調達することを目指しています。
その一環として、2024年にはトヨタ紡織トルコとTBソーテックトルコが太陽光発電施設を建設しました。これにより、両社では自家発電によって電力需要をすべて再生可能エネルギーで賄うことが可能となり、年間約5,800トンのCO2排出量削減が見込まれています。

写真:トルコのメガソーラー
トルコのメガソーラー

再生可能エネルギー導入によるCO2削減貢献量[トヨタ紡織グループ]

グラフ:再生可能エネルギー導入によるCO2削減貢献量
  • CO2削減貢献量は、当グループ事業所で導入した再生可能エネルギーの発電量に下記の「温室効果ガス排出量の集計における考え方」にある電気のCO2換算係数を乗じて算定しています

CO2排出量の推移

GHG排出量の集計における考え方

電気のCO2換算係数は、日本地域では環境省「電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用)-R5年度実績-」に記載の電気事業者ごとの調整後排出係数、日本以外の地域ではIEAの「Emissions Factors 2024」に基づいて算出しています。その他の燃料、ガスは、環境省:「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」に基づいて算出しています。

  • International Energy Agency:国際エネルギー機関

蓄電池の導入

豊橋北工場では、屋根上の太陽光発電設備で発電した電力を効率的に活用するため、蓄電池を導入しています。発電した電力を使い切れないときには蓄電池に充電し、電力使用量が多い時間帯には放電することで、太陽光発電の利用率を向上させています。これにより、ピークシフトを実現し、エネルギーの有効活用を図っています。