自然資本保全・再生化

基本的な考え方

「トヨタ紡織生物多様性基本方針」に基づき、森づくりに重点を置いて生物多様性保全に取り組んでいます。
2015年度より、オールトヨタ自然共生ワーキンググループが進める「オールトヨタ グリーンウェーブプロジェクト 」に参画し、活動の輪をトヨタ紡織のグループ会社、地域、行政などにも広げ、森づくりを推進しています。

  • 2015年度よりトヨタグループで進める、自然共生社会の構築を目的としたプロジェクト

環境省の「自然共生サイト」に認定

トヨタ紡織の多治見技術センターが、2024年10月21日に環境省より、生物多様性の保全区域「自然共生サイト」として認定されました。当社では、今回が初の認定です。
多治見技術センターは、岐阜県多治見市にある当社が所有するテストコース施設です。建設当初から地道な土壌改質や緑化活動に取り組み、現在では国や県のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている昆虫などの生息の場としても、重要な役割を果たしていることが評価されました。
トヨタ紡織グループは、事業活動全体で生物多様性に及ぼす影響の低減に努め、自然と共生する社会の実現に貢献していきます。

  • 民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られる区域を環境省が認定するしくみ
写真:環境省の「自然共生サイト」に認定
写真:多治見技術センター
多治見技術センター

トヨタ紡織グループの森づくり活動

トヨタ紡織グループで進める森づくり活動は、世界中に広がっており、2050年度までに132万本植樹することを目標に、各地域で植樹活動を推進しています。
2024年度は59,210本を植樹し、累計植樹本数は、2025年環境取り組みプランの目標である64万本を大きく上回る76万本となりました。
2025年度も、引き続き植樹活動を進めていきます。

2050年度までの累計植樹本数

グラフ:2050年度までの累計植樹本数

タイでの植樹活動

トヨタ紡織アジアでは、社員のほか地域住民や政府関係者、タイのトヨタ紡織グループの社員、計120人を招待し、チャチューンサオ県に1,000本の植樹を行いました。
この植樹活動により削減されるGHG排出量は、将来的に「カーボンクレジット」として認定される見込みです。
今後も植樹活動を通じたカーボンニュートラル達成に貢献していきます。

写真:122人で植樹を行いました
122人で植樹を行いました
写真:笑顔で植樹するボランティア
笑顔で植樹するボランティア

フィリピンの森林保護のための植樹活動

トヨタ紡織フィリピンでは、790本のマングローブを沿岸地域に植えました。これにより、水質保全や土壌浸食の防止ができ、健全な生態系を維持することができます。

写真:22人で植樹活動を行いました
22人で植樹活動を行いました
写真:持続可能な環境を維持するための植樹の重要性を実感しました
持続可能な環境を維持するための植樹の重要性を実感しました

中国の内モンゴル自治区の砂漠化防止活動

豊田紡織(中国)とトヨタ紡織は、中国緑化基金会と協力して、中国地域の拠点や関係会社とともに、内モンゴルの砂漠化防止を目的に植樹活動を行っています。
2024年度は14.5haに28,000本を植樹しました。これまでの活動で182,000本を植樹し、総面積は約90haになりました。

写真:砂漠化防止のため、28,000本を植樹しました
砂漠化防止のため、28,000本を植樹しました
写真:2013年から継続している活動です
2013年から継続している活動です

内モンゴル自治区の砂漠化防止活動によるGHG排出量のカーボンニュートラル達成

豊田紡織(中国)は、2024年度に内モンゴル自治区で実施した砂漠化防止活動により発生したGHG排出量をCQCの「大型活動カーボンニュートラル実施ガイドライン」に基づき算出しました。この結果に基づき、CQCによる審査と認証を経て、中国貴州省涼都市林業カーボンクレジット項目VCS 2083(Liangdu Afforestation Project)を購入することにより、内モンゴル自治区における砂漠化防止活動で発生したGHG排出量のカーボンニュートラルを達成しました。

  • China Quality Certification Centre:中国品質認証センター
写真:CQC北京検査部の楊部長からCN認証証書を受け取りました
CQC北京検査部の楊部長からCN認証証書を受け取りました

鳥類保全活動

トヨタ紡織フランスでは、環境保護団体の協力を得て、会社の敷地内に500本の灌木かんぼくを植樹しました。
フランスでは、過去15年間で鳥の個体数が30%減少しています。この取り組みは会社の景観を改善するだけでなく、地域の動植物に多様性をもたらし、鳥たちに住環境と餌となる生物を提供できるため、鳥の個体数復活が期待できます。

写真:植樹を通して動植物の多様性確保
植樹を通して動植物の多様性確保

双鴫そうしぎプロジェクト

生物多様性保全に貢献する活動を推進するため、「双鴫プロジェクト」を立ち上げました。マイクロプラスチックによる影響が懸念される、シギ類を代表とする海辺の生き物の餌場を守るための干潟清掃を中心として、さまざまな対策に取り組んでいきます。
プロジェクトのロゴマークは、豊田紡織が創業当初に、アジアを中心とした国外へ輸出する製品につけられていた「双鴫」の商標をリデザインしたものです。シギは干潟に飛来する渡り鳥で、新たな生物多様性活動のシンボルとしてふさわしいものと考え、採用しました。

写真:双鴫プロジェクトのロゴ
写真:双鴫プロジェクトのロゴ

干潟の保全活動

多くの生き物の重要な生息地となっている干潟の保全を通じて、流域全体のゴミや水のことを考えるきっかけづくり、環境意識の向上や地域貢献をねらいとして、毎年干潟の清掃活動を実施しています。
ラムサール条約登録湿地で愛知県にある藤前干潟で開催されている藤前干潟クリーン大作戦実行委員会主催のクリーン大作戦に、2024年5月と10月に参加しました。漂着ゴミのほか、近年大きな問題になっているマイクロプラスチックの清掃も行いました。
加えて、双鴫プロジェクトの一環として豊橋市の三河港大橋の内側にある汐川干潟で、2024年6月と11月に、社員ボランティアによる清掃活動を実施し、2025年4月には、新入社員研修として清掃活動を実施しました。

写真:藤前干潟クリーン大作戦
藤前干潟クリーン大作戦
写真:汐川干潟マイプラクリーン@双鴫プロジェクト
汐川干潟マイプラクリーン@双鴫プロジェクト

オールトヨタ グリーンウェーブプロジェクトへの参画

自然共生社会の構築を目的に、2015年度より「オールトヨタ グリーンウェーブプロジェクト」に参画しています。
2024年5月、2023年度と同様に自治体・近隣住民のみなさまとともに、オオキンケイギク駆除活動に参画しました。オオキンケイギクは、在来種を駆逐する可能性があるため、特定外来生物として指定されています。2024年度も、オールトヨタグリーンウェーブプロジェクトの活動に参画し、地域本来の生態系や生物多様性の保全に継続的に取り組んでいきます。

  • 日本の生態系に重大な影響をおよぼすおそれがある植物
写真:オオキンケイギク駆除活動
オオキンケイギク駆除活動
写真:駆除活動中
駆除活動中
写真:駆除活動後
駆除活動後
写真:オールトヨタ グリーンウェーブプロジェクト