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自動車用新世代シート骨格を発表

製品・技術・展示会

トヨタ紡織株式会社(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:豊田周平)は、自動車の燃費 性能の向上によるCO2削減を目的に、より軽量なシート骨格「トヨタ紡織新世代シート 骨格『TB-NF100』」をトヨタ自動車株式会社と共同で開発し、10月にトヨタ 自動車株式会社が発表したiQに採用されました。このTB-NF100は、コンパクト クラス用の共通フロントシート骨格で、今後新型車用にシリーズ展開する予定です。

今回開発したTB-NF100は、軽量化を目的に従来型シート骨格 (以下従来型骨格) 同様、骨格材質に980メガパスカル級の高張力鋼板を使用してフレーム厚を薄くすると ともに、骨格構造・部品形状を見直すことで、さらなる軽量化・省資源化を追究しました。 その結果、従来型骨格と比較して部品点数を約25%※1、締結点数を約20%※1減らす ことに成功し、質量約15%※1の低減と歩留まり約18%※1の向上を実現しました。

またTB-NF100は、骨格構造の変更によって背もたれ部分のクッション厚を 約40ミリ※2薄型化することができ、後席乗員のひざ前スペースおよび広い車室空間の 確保に寄与しました。

トヨタ紡織は、今後も自動車部品の軽量化に積極的に取り組み、地球環境に配慮した 製品づくりを展開していくとともに、内装システムサプライヤーとしてさらに快適な車室 空間の実現を目指した技術開発に取り組んでいきます。

※1 従来型シート骨格(トヨタカローラ)とトヨタ紡織新世代シート骨格「TB-NF100」の比較に基づく
※2 トヨタヴィッツとの比較に基づく

≪参考 : iQシート特性≫

フロントシート

シートバックの薄型化
運転席・助手席シートバックのホールド感と乗り心地を確保しながら薄型化し、後席 乗員のひざ前スペースを拡大します。

WIL※1 コンセプトに基づくヘッドレスト一体型シート
後方から衝突された際、ヘッドレストを含むシートバック全体で衝撃を受け止める ことで、乗員頸部への衝撃を緩和し、鞭打ち傷害低減に寄与します。

SRS※2 シートクッションエアバッグ(助手席)

前面衝突時に膨らみ、乗員の前方への移動を減少させ、シートベルトの働きと合わせて、 乗員の頭や胸などの上体の保護効果を高めます。

運転席・助手席 カップルディスタンス
シートを車両外側に配置することで、フロントシート間に快適な距離を確保しつつ、 側面からの衝突時に問題がないよう胸から腰までをカバーする大型タイプのSRS※2サイドエアバッグを搭載できるシートにしました。

シートスライド機構にサイドレバー採用
スライド操作レバーをシートクッションサイドに設置。楽な着座姿勢のまま、軽い操作 力で調整できます。

リヤシート

リヤシートを軽量化し、さらに操作性を向上

リヤシート前倒し機能のロック解除レバーをシートバックに配置し、さらに解除 レバー操作方向をシート前倒し方向と同一化することで、操作性が向上しました。
前席に座ったまま、後席中央のストラップを引き上げるだけでチップアップが可能 です。
※1 WIL:Whiplash Injury Lessening(頸部傷害軽減)
※2 SRS:Supplemental Restraint System(乗員保護補助装置)

シート骨格比較