ニュース

エコプラスチック製表皮材を開発し、新型車「SAI」の天井などに活用 ~自動車の室内表面積約60%のエコプラスチック化に寄与~

製品・技術・展示会

トヨタ紡織株式会社(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:豊田周平、以下トヨタ紡織)はこのたび、トヨタ自動車株式会社(以下トヨタ自動車)、東レ株式会社と植物由来原料を用いたエコプラスチック製表皮材を共同開発し、これを活用した天井、ピラーガーニッシュなどが10月にトヨタ自動車が発表した新型車「SAI」に採用されました。

今回開発したエコプラスチック製表皮材は、植物由来ポリエステルと、従来からの材料である石油由来PET(ポリエチレンテレフタレート)からなる特殊構造糸を用いており、最適な構造設計、加工技術を確立することで、自動車用内装部品に必要とされる品質を実現しています。植物由来ポリエステルを用いたエコプラスチック製表皮材の量産車内装部品への活用は、世界で初めてです。

このほか、これまでトヨタ紡織が車室空間のオール植物化を目指して開発してきた、ケナフ繊維とポリ乳酸からなる100%植物由来基材※2を活用したドアトリムオーナメント、ひまし油由来ポリオールを用いたシートクッション※3、ポリ乳酸を用いた内装部品※4も採用されました。今回新たに開発した表皮材を活用した内装部品とあわせ、「SAI」の室内表面積約60%のエコプラスチック化の実現に寄与しました。

トヨタ紡織は、今後とも新規材料の活用も視野に入れ、新たな植物由来内装部品の開発に尽力し、カーボンニュートラル※5の実現を目指すとともに、「軽量化」「資源の有効活用」にも重点的に取り組み、低炭素社会の実現を目指していきます。

<今回新たに開発した植物由来内装部品>

  原料 開発・採用部品
植物系 石油系   使用部位
エコプラスチック製表皮材
(トヨタ自動車、東レと共同開発)
植物由来ポリエステル PET
(ポリエチレンテレフタレート)
天井 H
サンバイザー I
ピラーガーニッシュ J
(フロント・センター・リヤ)
表皮
(繊維部分)

<今回新たに量産化した植物由来内装部品>

  原料 開発・採用部品
植物系 石油系   使用部位
エコプラスチック製基材
(トヨタ自動車、東レと共同開発)
ケナフ繊維、
ポリ乳酸
ドアトリムオーナメント K
(フロント・リヤ)
基材

<そのほかSAIに採用されている主な植物由来内装部品>

  原料 開発・採用部品
植物系 石油系   使用部位
エコプラスチック製射出材
(トヨタ自動車と住友化学が開発)
ポリ乳酸 PP
(ポリプロピレン)
カウルサイドドアトリム A
ドアスカッフプレート B
フィニッシュプレート C
ツールボックス G
全体
エコプラスチック製表皮材
(不織布)
(トヨタ自動車と東レが開発)
ポリ乳酸 PET
(ポリエチレンテレフタレート)
トランクマット D
トランクトリム E
(フロント・サイド)
トランクドアトリム F
不織布表皮
(繊維部分)
エコプラスチック製フォーム材
(トヨタ自動車、三井化学と共同開発)
ひまし油由来
ポリオール
ポリオール、
イソシアネート
(架橋剤)
運転席クッションパッド L
クッションパッド