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植物由来材料を活用した新たな自動車用内装部品の開発

製品・技術・展示会

トヨタ紡織株式会社(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:豊田周平、以下 トヨタ紡織)は、地球環境にやさしい車室空間の実現を目指し、トヨタ自動車株式会社(以下 トヨタ自動車)が開発した、植物由来の原料を用いたエコプラスチック※1を活用し、新たな「自動車用内装部品」を開発しました。そして、7月にトヨタ自動車が発表した新型車レクサスHS250hに採用されました。

今回新たに開発した内装部品は以下のとおりです。

▽ エコプラスチック製表皮材を活用した内装部品

  石油由来原料であるポリエチレンテレフタレートの一部をポリ乳酸※2に置き換えた表皮材(不織布)を活用し、ラゲージトリムなどを開発しました。エコプラスチックに最適な成形工法、製品形状、成形条件などを確立することで、従来品同等の性能・品質・風合い(触感)を実現しました。

▽ エコプラスチック製射出材を活用した内装部品

  石油由来原料のポリプロピレンの一部をポリ乳酸に置き換えた射出材を活用し、 スカッフプレートなどの内装部品を開発しました。金型設計、製品形状、成形条件 など独自の技術を駆使し、さまざまな要件を確立することで従来品同等の性能・ 品質を確保しました。

またレクサスHS250hには、トヨタ自動車、三井化学株式会社と共同開発した植物由来(ひまし油)の成分を用いたシートクッションも搭載されています。植物由来の原料を使用することにより、製造から廃棄までのライフサイクルで二酸化炭素排出量を抑制するとともに、限りある石油資源の使用量低減に寄与しています。

トヨタ紡織は、内装部品の植物化によるカーボンニュートラル※3の実現を目指し、今後も植物由来の内装部品の採用部位拡大を提案するとともに、内装システムサプライヤーとして、さらに快適な車室空間を実現する技術開発に取り組んでいきます。

<今回新たに開発した植物由来内装部品>

  原料 開発・採用部品
植物系 石油系   使用部位
エコプラスチック製
表皮材(不織布)
ポリ乳酸 ポリエチレンテレフタレート ラゲージトリム
 ・ラゲージドアトリム
 ・ラゲージフロントトリム
 ・ラゲージサイドトリム
 ・ラゲージマット
リヤコンビネーションランプカバー
表皮
(繊維部分)
エコプラスチック製
射出材
ポリ乳酸 ポリプロピレン カウルサイドトリム※4
スカッフプレート※4
ツールボックス
フィニッシュプレート※4
全体

※1:トヨタ自動車株式会社が自動車用に開発した、一般的なバイオプラスチックに比べ耐熱性、耐衝撃性などを向上させた植物由来成分を含むプラスチックの総称
※2:植物の糖質(でんぷんなど)を原料とするプラスチック
※3:ライフサイクルの中で二酸化炭素の増減がゼロなこと。植物は光合成により大気から二酸化炭素を吸収し成長しているため、植物を焼却してもライフサイクルの中では大気中の二酸化炭素を増加させないという考え方
※4:トヨタプリウスでも採用(他社製)