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トヨタ紡織と豊田中央研究所が共同開発した高耐衝撃プラスチックが「高分子学会賞」を受賞
トヨタ紡織株式会社(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:沼 毅)と株式会社豊田中央研究所(本社:愛知県長久手市、代表取締役所長:菊池 昇)が共同開発した「高耐衝撃プラスチック」が、このたび、公益社団法人 高分子学会※1が授与する高分子学会賞(技術部門)を共同受賞しました。
今回受賞した高分子学会賞は、高分子科学、技術(工業化技術を含む)に関する独創的かつ優れた業績を挙げた会員に授与されるものです。
高耐衝撃プラスチックとは、世界トップレベルの耐衝撃性能を有する樹脂材料で、非可食植物からの100%バイオプラスチックであるポリアミド11(PA11)と石油由来樹脂のポリプロピレン(PP)から構成され、その内部構造をナノメートルレベルで制御した結果、サラミ構造[図1]の創製に成功しました。その結果、剛性を損なうことなく、衝撃強度の飛躍的向上に成功し、PPの約10倍の衝撃強度[図2]を実現しました。
[図1] 高耐衝撃プラスチックのナノ構造
[図2] 高耐衝撃プラスチック耐衝撃性能
また、高耐衝撃プラスチックを適用したドアトリムの製品化において、コストと性能を両立させる最適配合を見い出し、従来に比べて約20%軽量化したドアトリム基材の開発に成功、2018年からトヨタ クラウンに搭載されています。[図3]
[図3]「高耐衝撃プラスチック」を適用したドアトリム(トヨタ クラウン)
※1 高分子科学の基礎的分野、応用分野(電気、電子、情報、バイオ、医療、輸送、建築、宇宙など幅広い研究分野)における10,000を超える会員で構成され、全国に8支部会、21研究会がある学術団体