カーボンニュートラルへの挑戦
カーボンニュートラルとは?
近年、ニュースなどで「カーボンニュートラル」という言葉を耳にする機会が増えています。日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表しました。2050年までに日本全体の温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを掲げたこの宣言の実現に向けて、多くの企業が温室効果ガス排出量削減の取り組みを加速しています。
カーボンニュートラルとは、企業や家庭が排出する温室効果ガスを完全にゼロにすることは現実的に難しいため、排出を減らすことと、排出せざるを得なかった分を「吸収」したり「除去」したりすることで、「全体としてゼロにすること」を目指すことです。
2050年CO2排出ゼロを目指して
トヨタ紡織グループは、環境問題に対して長期的な視野を持ち、より高いレベルでの挑戦が必要と考え、2016年5月に「2050年環境ビジョン」を策定し、6つの環境チャレンジ目標を設定しました。その中で「トヨタ紡織グループCO2排出量ゼロにチャレンジ」「ライフサイクルCO2排出量ゼロにチャレンジ」を掲げています。また、「2050年環境ビジョン」を実現するために、新たな5カ年実行計画である「2025年環境取り組みプラン」を、2020年11月に発表しました。
また、当社グループは、2020年7月に、さまざまな社会課題の中から、本業を通じて優先的に取り組む重要課題を特定し、解決する姿をマテリアリティとして策定しました。このマテリアリティで「環境負荷のミニマム化」を表明しています。 マテリアリティの詳細はこちら
さらに、マテリアリティの達成に向けた中期的な目標である「2025年中期経営計画」では、環境への取り組みを重点取り組み事項の一つに掲げ、CO2排出量25%削減(2013年度比)を掲げています。
具体的な取り組み
「2050年環境ビジョン」の6つの環境チャレンジ目標の一つ、トヨタ紡織グループCO2排出量ゼロにチャレンジでは、2050年CO2排出量ゼロを目標に3つの取り組みを進めています。
1つ目は、日常改善の推進です。非稼働時の電源OFFの徹底やLEDランプへの切替などによる省エネや、動力を使用しないためエネルギーを消費することなく生産工程を効率化できる、「からくり」と呼ばれる装置の活用など、日頃から現場点検と改善によりCO2削減に努めています。
2つ目は革新技術の応用で、CO2回収メタン化システムの実験プラントの導入を進めています。これは、メタネーションと呼ばれるカーボンニュートラルを目指した技術を活用した取り組みです。乾燥炉や発電機から発生するCO2を回収し、再利用するものです。
そして3つ目が再生可能エネルギーの導入です。当社グループでは、日本、中国、アジアの3地域、19拠点に太陽光発電パネルを設置しています。
6つの環境チャレンジ目標の二つ目であるライフサイクルCO2排出量ゼロにチャレンジでは、材料・部品の生産からお客さまが製品を使い、さらにその製品が廃棄・リサイクルされるまでのライフサイクル全体でのCO2排出量ゼロを目指しています。製品の軽量化や、次世代自動車に対応した製品開発によるライフサイクルCO2の削減、非石油系材料、再生材料の使用目標値の設定などに取り組んでいます。
社会の大きな要請であり当社も社会の一員としてより力を入れて活動をしていくため、2021年4月に新たにカーボンニュートラル環境部を設立しました。現在、日本政府の2030年CO2削減目標(▲46%)に対応できるように、社内目標の見直しを進めています。私たちのゴールは、2050年CO2排出量ゼロです。トヨタグループや業界団体などとの連携をさらに強化し、カーボンニュートラル実現に向け、活動を強力に推進していきます。