技術開発

世の中の人がより早く日常に戻れる手助けとなる製品を

飛沫防止パーティションとは?

当社は、9月13日にタクシーの営業車両の運転席に後付け可能なパーティションの先行試験発売を開始しました。後席からの飛沫の飛散を防止することに加え、パーティションに取付けられたフィルター付送風ファンで、運転席にクリーンな空気を供給するとともに、空気の壁(エアシールド)を形成、飛沫の付着リスクを軽減します。パーティションに搭載するフィルター付送風ファンは、第三者機関による試験で1m³空間の浮遊ウイルスに対して99.9%以上の除去率を達成しました。

飛沫防止パーティション
飛沫防止パーティション

よりお客さまに喜ばれるために

実証実験を進めながら、タクシードライバーの生の声を聞き、現場で試用していただき、開発品の改良を重ねました。改良を行った内容は三つです。一つ目は「視界」の改良です。お客さまとの料金の受け渡しやコミュニケーション時の妨げにならないよう、透明材料を用いてパーティションだけでなくダクトも透明化しました。二つ目は「音」の改良です。ドライバーから、ファンの音が気になるという指摘を受け、ファンの取付構造などを見直し、音を低減しました。三つ目は「操作性」の改良です。ドライバーが簡単に操作できるよう取付位置などの見直しを行い、操作性を向上させました。
今回の飛沫防止パーティションは1)後席からの飛沫の付着リスクを軽減、2)クリーンな空気の供給(フィルターを通したクリーンな空気を供給)、3)エアシールド(パーティションの曲面形状によって風の流れを制御)といった三つの機能を持っています。シート形状に合う3D形状に、機能も併せ持つデザインを加え、よりドライバーに寄り添った製品となりました。

どうしてこの製品が生まれたのか?

コロナウイルスの蔓延により、外出の規制、働き方の改革など、世界の状況が一変しました。当社内では、急速に拡大するコロナに対し、世の中の人が早く日常に戻るための手助けとなる、快適かつ安全で環境にやさしい製品で世の中に貢献したいという思いから、車室空間の衛生環境に関する製品の開発の検討を始めました。車室空間内は三密になりやすいため、さまざまな移動空間やシーンに合わせて開発アイテムの検討を進めました。短期、中期、長期と開発期間別に6種類の案を検討した中から、まず短期開発アイテムである「タクシー向けのパーティション」の開発をスタートしました。

製品をタイムリーに世の中に出したい

少しでも世の中の人々に寄与できるよう、コロナの急速な拡大に負けず、“よいものをタイムリーに世に出す”をモットーに、一年以内に製品を世に出す目標を掲げました。2020年5月に開発を開始、翌6月には簡易モックを製作し、11月には数台規模、2021年4月には50台規模の実証実験をスタート。2021年9月に先行試験発売を行いました。当社の空調・フィルターのノウハウを応用し、短期での開発が実現しました。
今回の開発期間、コロナ禍であるため面直での打合せは難しく、開発が軌道にのるまでは週2回、必要最低限の関係者でオンライン会議を活用することで情報共有しながら開発を推進していきました。大変なこともありましたが、この世の中によいものを出すという高いモチベーションのもとにみんなで取り組み、チーム一丸となった結果、タイムリーに製品を世の中に出すことができました。

タクシーだからこそ “おもてなし”の気持ちを

パーティションのデザインは当社のミラノブランチのデザイナーが手掛けた、日本の江戸切子に似たちょっとお洒落なものです。タクシーのお客さまの中には、海外からのお客さまもいらっしゃいます。日本を感じていただけるような“おもてなし”の気持ち、お客さまを目でも和ませることを意識したデザインとなっています。今後も「インテリアスペースクリエイターとしてイノベーションを通じ、快適・安全安心を創造し、こころ豊かな暮らしに貢献』し、よりよい製品をタイムリーに提案できるように努めていきます。

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