MOOX-RIDE(コンテンツ体験支援システム)
~新たな移動体験の提供~
拡大する自動運転の世界
いま、世界的に自動運転実現に向けた動きが急速に進んでいます。
POV(Personally Owned Vehicle:個人所有の自動車)が一般的である現状から、MaaS(Mobility as a Service)としてライドシェア、そして自動運転タクシー等が台頭していく未来になるとトヨタ紡織は予想しています。
未来のモビリティー市場予測(トヨタ紡織にて作成)

それと同時に、自動運転技術の発達により、移動中や止まっているときの車室空間内での過ごし方をどれだけ有意義にできるかが重要視されています。
私たちはそういった環境の中で、乗客がシームレスに楽しむことができるプラットフォームとして、コンテンツ体験支援システム「MOOX-RIDE」を開発しました。
「MOOX-RIDE」は乗り物ではなく、バスやタクシー、ハイヤー、ライドシェアなどの様々なベース車両に組み込むことで、コンテンツ体験ができるシステムとなります。
車両の位置情報と連動しつつ、コンテンツ映像の配信、ARやVRなどXR表現、振動装置、ミスト装置、立体音響システムなど、五感でコンテンツを味わうことができ、「その場所を走ることでしか体験できないこと」を重視した車室空間での新たなコンテンツを提供します。

また、「MOOX-RIDE」はユーザーが移動時間を楽しむだけでなく、社会課題の解決にもつながると考えています。
例えば、インバウンドの好調などを背景に、旅行客が一部の地域に集中し、過度な混雑やマナー違反によって地域住民の生活への影響や旅行者の満足度を著しく低下させる「オーバーツーリズム」が問題視されています。解消には、観光場所や時間帯・時期の分散化といった対策が必要となっています。
商業施設・観光地・自治体・地方公共団体と連携して「MOOX-RIDE」を導入し、旅行者が移動する時間に興味関心を近隣施設などへ誘導すれば、オーバーツーリズム緩和、地域活性化にも貢献できます。


貢献できる領域と可能性は無限大!
「MOOX-RIDE」は車両位置情報と連動したモビリティーエンターテインメントをコンセプトとしているため、目的地への期待が膨らむ、移動時間の長さが気にならないといった効果を期待できる、“無限に可能性が拡がる空間”です。
① 目的地・走行ルートに合わせた案内コンテンツ
② 快適に過ごすためにラグジュアリーな車室空間
③ 客層に合わせた広告体験
など、多様な使い方ができます。
今まで様々な実証実験を重ね、様々な方々にご協力いただきながら、体験価値や技術、コストに対するフィードバックをいただいてきました。
2020年から実証実験フェーズとして、「MOOX-RIDE×自動運転」、2021年は「MOOX-RIDE×トヨタFCバス」、「MOOX-RIDE×e-Palette」など、閉域内での実証実験を実施しました。
2022年以降は、セントレア空港島周遊バスツアー、気象現象を体感するバスツアーなど公道での社会実証フェーズとして継続的に実施してきました。
代表的なコンテンツの例としては、「宇宙を身近にする学び体験」をテーマにした没入体験ツアーがあり、XRバスツアーとして、車窓に映像が映し出されるだけでなく、その映像への没入感を高める空間演出(視線誘導できる立体音響、映像の動きに応じた座席振動、ミストや香り、乗客のスマホと連動しその乗客ならではの体験を味わっていただく)を行い、五感での体験を提供しています。
今後も様々なベース車両での導入や用途に応じた、コンテンツ開発を進めていきます。

MOOX-RIDEのこれから
将来的には、人の行動をもとに必要とされる場所・空間を予測して事前に提供するサービスを目指しています。2020年から何度も開発・実証を重ねてきたシステムですが、
着実に商用ビジネスでの運用に向けた準備が進んでいます。これからも、「生活になくてはならないMOOX-RIDE」を目指し、試行運用に取り組んでいきます。
