ものづくりの大切さを伝承
オールトヨタ紡織 技能コンクール

「ものづくりの伝承」が必要な今

自動車業界では、CASEやMaaSといった新たな領域が広まり、大きな変革期として移り変わりが早くなっています。
そんな中でも、世に出す1台1台の自動車に対して高いクオリティを保ち続けるには、高い技能を持った社員が必要不可欠であり、企業として、高い技術や製品を世の中へ提供し続けるには、技能の研鑽や社員同士の切磋琢磨、そして育成も欠かせません。
ここでは、トヨタ紡織の人材育成であり、「ものづくり」の伝承でもある取り組みの1つをご紹介します。

技能コンクールの開催

トヨタ紡織では2006年より、「オールトヨタ紡織 技能コンクール」という取り組みを年に1回行っており、「ものづくり」の大切さを伝承し、社員が高いスキルを身に付けるきっかけとなる重要な場になっています。
現在は、トヨタ紡織だけでなく、関係会社や海外拠点で働く社員も、選手もしくは観客として参加し、国内外問わず技能を競う・学ぶ機会となっています。

技能コンクールの開催
観客も含めると約700人(2024年実績)が一堂に会す場
  • 技能・能力向上を目指し、出場者の持てる力をすべてつぎ込み、誇りをかけて競い合う
  • 教える、教えられる職場風土をつくり、上司、先輩の技能を後進へ伝承する
  • トヨタ紡織グループの技能レベルを相互に確認する

ということを目的とし、
2006年の開始時に比べると職種数は倍近くに増え、2010年からは海外選手も参加、それに伴い選手人数も大幅に増えてきました。

2025年現在、「オールトヨタ紡織 技能コンクール」には、13職種の競技があります。
競技:カバー製作、ミシン保全、ロボット保全、金型仕上げ、トリム組付け、加工機仕上げコマ大戦、クレーン、溶接、設備保全(故障原因究明・修復作業など)、シート組立、検査(製品の基準測定、異常発見など)、フォークリフト、からくり

技能コンクール コマ大戦
聞きなれない「コマ大戦」とは、材質、形状、戦術を選手自ら考え設計したコマを戦わせたり、
長時間回ったままでいられるか競ったりする競技

「からくり」について:からくり改善を中心に効率的な生産ラインを構築

出場する選手たちは各競技への出場が決まった段階から、各拠点や工場にて競技課題に対する検討や練習を行い、本番で成果が出し切れるよう努力を重ねます。
そしてコンクール当日、選手たちはそれぞれの競技に臨み、その成果を審査され、順位がつけられます。

また、各工場の代表社員が課題の選定や審査を務めており、そのようなエキスパートがいるからこそ技能コンクールは成り立っています。
それぞれの職種に精通した代表社員が、今後を担うであろう出場選手の成果を審査することで、更なる技能の向上が期待できます。

技能コンクール 出場選手に対する同僚たちからの応援
出場選手に対する同僚たちからの応援

普段はなかなか話すことができない様々な地域の社員同士の交流によって、新たな知見やつながりを持つこともできています。

選手の声

技能コンクール 選手の声

技能の研鑽の拡大

技能の研鑽は出場選手だけではありません。
このコンクールで出場した選手のそれぞれの成果について、展示可能なものに限り、コンクール期間中は誰でも見ることができるように展示されています。
普段の業務で関わる競技からはもちろん、関わりのない分野からも学びが出てくるかもしれません。

また、審査され順位付けされた成果に対して、順位を分けた要因は何だったのか、などの確認もできるようになっています。
そういった場があることで、研鑽の輪が広がり、国内外・職場を問わず、すべての社員のレベルを高く保つことを目指しています。

並べられた各競技の成果
並べられた各競技の成果
観戦だけではなく、実際に間近で見て、触れることができる機会を提供
観戦だけではなく、実際に間近で見て、触れることができる機会を提供
観戦だけではなく、実際に間近で見て、触れることができる機会を提供
技能コンクールのイベントとしてG型織機などの展示・実演も

これからの技能コンクール

1つの職種に対して、3年連続で1位を取った社員を称える「殿堂入り」制度が2023年から始まっており、2025年は初の殿堂入り者が出るかもしれない年となっています。
それは技能を継続的に高め続けた証明であり、他の社員のお手本となるべき人材が生まれることを表しています。

これから自働化やロボットの活用が進み、「ものづくり」の形は変わっていくかもしれません。
ただ、それらの活用は基本技能を身に付けた社員があってこそ可能だと考えています。
今後も、トヨタ紡織では社員の技能研鑽を大切にしていきます。

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