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「学ぶ側」から「教える側」へ

世界各地域で、モノづくりをしっかり実践できる人を育てるとともに、
学ぶ側にいた人を高度なトレーナーに育成し、高い技術・技能を現地で伝承する体制を整えている。

現地スタッフにモノづくりの基本を教える

トヨタ紡織には、世界各地域で工場や生産ラインを立ち上げる際、製造準備とともに現地で採用した人たちに技術・技能を教える専門部署がある。2005年に設立されたトヨタ紡織南アフリカ(TBSA)でも、15人の日本人スタッフが立ち上げを支援した。
言葉や文化の違う現地スタッフに、日本のモノづくりを教えることは簡単ではないが、コミュニケーションを深めながら、真剣、親切をモットーに、一つひとつステップを踏んでトレーニングを行った。このときの現地スタッフの一人がウィリアム・ムキーゼだった。

日本でモノづくりを学ぶチャンスがやってきた

それから5年が経った2010年、ウィリアムはシート組立のチームリーダーとなっていた。しかし彼は、会社のさらなる発展のために、さらに高い技能を身につけ、それを現地スタッフに伝承していく段階が来たと感じていた。
そんなとき、日本のトヨタ紡織技能育成センターで学ぶチャンスがあることを知り、ウィリアムは迷わず手をあげた。「尊敬できるあの人たちのもとに行って、高い技能を学ぶことができる」。日本行きのメンバーに選ばれたとき、彼は言った。「夢が現実になった」。

帰国後、すぐに研修の成果を発揮

ウィリアムたちが研修を受けた技能育成センターは、生産管理部の「技能伝承」と、グローバル人材開発部の「人材育成」の機能を集約し、2011年2月に設置された。ここには、トヨタ紡織のモノづくりの技能と精神を現地現物で学ぶことができる設備がそろっており、それをきちんと伝承していくための計画的な仕組みが整っている。
「日本での3カ月間を通じて、確実にスキルアップを図ることができたと思う。同時にTBSAとの技術レベルの差を痛感。帰国してからは、さっそくマニュアルの見える化と実践訓練など、興味深く学んだことをスタッフとともに実践し、作業者が働きやすい環境づくりのためのカイゼンを展開していった」。

南アの事例を世界各地域に展開

2011年、ウィリアムはシート組立のスーパーバイザーとして、複数の生産ラインを監督し、70名のスタッフの上司として活躍している。また、生産性、品質、安全の向上を目標としたプログラムの作成も手がけ、トータルな面でTBSAの発展を支えている。
「いま取り組んでいるのは、スタッフのマルチスキル化、多能工化。一人のスタッフが多くの能力を持つことで、さまざまな状況に対応できる柔軟で力強い組織を目指していく。さらに、スタッフの中から将来のリーダーを育てることも進めていきたい」。
技能育成センターでは、この事例をさらに発展させていくため、世界各地域のコア人材養成プログラムの作成を進めている。

トヨタ紡織南アフリカ(TBSA) シート組立スーパーバイザー

ウィリアム・ムキーゼ William Mkhize

2006年TBSA入社。トヨタ紡織技能育成センターの第1期派遣研修生として、2011年1月来日。3カ月にわたる研修を受けた後、教える側として、現地スタッフの育成にあたっている。

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